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4分の1の産業医は「勧告」を実施したことがある!
- 2019/6/25
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産業医権限の強化と「勧告」
2019年4月に施行された働き方改革法によって産業医の権限強化が図られたのは、多くの方が知っていることと思います。
このうち、産業医が事業主に行う「勧告」についても、労働安全衛生法の改正により、以下の点などが盛り込まれました。
・産業医が勧告をしようとするときは、労働者の健康管理のために有効に機能するよう、事前に勧告内容について事業者の意見を求める
・事業者は勧告の内容、および勧告を踏まえて講じた措置の内容を3年間保存する
・事業者が産業医から勧告を受けたときは、勧告を受けたあと遅滞なく、勧告の内容および、それによって講じた措置を衛生委員会に報告する
この「勧告」について、2019年5月に開催された第92回日本産業衛生学会のフォーラム「産業医の勧告研に関するシンポジウム」では、「産業医の事業所に対する助言、指導、勧告に関する実態調査報告書」をもとにした分析、議論がなされました。
今回はこちらをご紹介します。
勧告を出したことのある産業医は全体の4分の1
シンポジウムでは、「勧告」についての実態が公開されました。
それによると、アンケートに回答した産業医のうち、実に4分の1が「勧告を出したことがある」とのことでした。
また、専属産業医と非専属産業医で比較をすると、勧告を出したことのある専属産業医は19.7%にとどまるのに対し、非専属産業医では37.5%が「出したことがある」とのことでした。
勧告内容は、長時間労働が1位
これらの「勧告」について、具体的に事業者側に求めた措置は、主に以下が挙げられます。
① 面接指導に伴う長時間労働(45.0%)
② 健康診断に基づく就業上の措置(32.5%)
③ 作業環境について(26.6%)
また、勧告の伝達手段は、書面(押印あり、または自分で書いた文書)が61%に上りました。
ふだんの「指導」とは、別の手段を選ぶ産業医が多いようです。
さらに、「勧告」を行うに際しては、事前に協議を行った産業医が61%と圧倒的に多かったようです。
冒頭に記したとおり、勧告を行う前に、事業者に勧告内容の理解、共有を行うことが明文化されました。
今般の「産業医の権限強化」により、産業医からの「勧告」の実行力が高まることを期待します。
お役立ちサイト
・ 公益社団法人日本医師会「産業医のひろば」には産業医に関するお役立ち情報が数多く掲載されています。