9月は「食生活改善普及運動月間」~食生活を見直しましょう~

9月は「食生活改善普及運動月間」~食生活を見直しましょう~

人間の代謝は、一般的に18歳から20歳辺りをピークに、加齢とともに低下していきます。
また日本は1年間を通して、気温差があるため、基礎代謝も変動があり、夏は低く、冬は高い傾向にあります。
「夏痩せ」という言葉があるように夏は太りにくいイメージがありますが、そうでもないのですね。
夏の終わりの9月には「食生活改善普及運動月間」が実施されます。
このタイミングで食生活を見直してみましょう。

食生活改善普及運動月間

生活習慣病の発症や進行を防ぐためには、生活習慣の改善、その中でも食生活の改善が非常に重要です。
9月に実施される「食生活改善普及運動月間」では国民一人ひとりが改めて食生活改善の重要性を認識し、理解を深め、日常生活での実践を促進するため、さまざまな取組みを展開し、食生活改善の普及啓発を図ります。

「スマートミール」とは?

「スマートミール」という言葉を聞いたことはありますか?
スマートミールとは、健康づくりに役立つ栄養バランスのとれた食事のことを指します。
具体的には、1食の中で、主食、主菜、副菜が揃い、野菜が豊富で、塩分のとり過ぎにも配慮した食事内容になります。
それを聞くと、そんなに作るのは……と高いハードルを感じてしまいますが、ご安心ください。
外食や中食を活用しても大丈夫です。
スマートミールは健康寿命を延ばすため、外食や中食でも健康な食事ができる環境を整えるために作られた事業なのです。
また、スマートミールの基準は、厚生労働省の「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」や食事摂取基準を基本として以下のように決められています。

【スマートミールの基準】

1. エネルギー量は2段階
ちゃんと(デスクワークの人向け):1食当たり450~650 kcal未満
しっかり(エネルギー消費の多い人向け):1食当たり650~850 kcal

2. 料理の組み合わせの目安の基本
①「主食+主菜+副菜」パターン
②「主食+副食(主菜、副菜)」パターン
どちらにも主食が入っています。
ご飯、麺類、パンといった主食抜きでは成り立ちません。

3. PFCバランス
栄養バランスを崩すことなく食事制限をする場合、参考にしたいのが「PFCバランス」という考え方です。
PFCとは「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」を示し、厚生労働省が提示している生活習慣病の予防・改善の指標となる三大栄養素の理想量です。
たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%の範囲に入ることとします。

4. 野菜等(野菜・きのこ・海藻・いも)の重量は、140g以上とします。

5. 食塩相当量
ちゃんと(デスクワークの人向け):3.0 g未満
しっかり(エネルギー消費の多い人向け):3.5 g未満

6. 牛乳・乳製品、果物は、基準は設定してありませんが、適宜取り入れましょう。

7. 特定の保健の用途に資することを目的とした食品や素材を使用しないことになっています。

健康寿命を延ばしていくために

超高齢化社会である背景と、定年延長制度により、健康寿命を延ばしていく必要があります。
スマートミールを食べているだけで、健康を保てるわけではありません。
日常的に活動や運動を通じて体を動かし、質の良い睡眠をとり、禁煙、節酒など他の取り組みも併用し、スマートミールを上手に生活に取り入れることで健康寿命を延ばす生活習慣を身につけましょう。

<参考>
「健康な食事・食環境」認証制度

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

中山 真樹株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

看護師として病棟勤務を経て、現在は企業様を対象に保健師業務を行っております。企業の健康管理室に出向していた経験、また、現在訪問企業で実施している業務からヒントを得て、皆様が知りたいことをお届けしたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、養護教諭一種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】「コロナかも」従業員が激増!会社はどう対応する?~コロナが疑われる従業員、休ませた場合の手当は会社が支払うべき?~

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る