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- 産業医向け新型コロナウイルスアンケート結果発表【2】出勤停止や手洗いなどを多くの事業場が取り入れていた
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストでは、コロナ禍における産業保健活動について、産業医の先生方から多くのご質問、ご相談をいただきました。
そこで、①感染症対応における産業保健の実情を把握すること、②今後の産業保健活動に活かせる情報を発信することを目的として、ドクタートラストに登録いただいている産業医の先生方にアンケート調査を行い、317事業場で働く方から回答いただきました。
アンケート結果は全4回に分けてご紹介します。
第2回は、コロナ禍において、産業医が困ったこと、事業場でどのような新型コロナウイルス感染症対策が行われたかを見ていきます。
アンケートの詳しい結果は以下PDFをご参照ください。
「産業医に聞いた! いま知りたい、訪問先企業の実情~新型コロナウイルス感染症対策はどのように行われていたのか~」
記事一覧は以下をご参照ください。
事業場における感染症対策は?
各事業場における新型コロナウイルス感染症対策が行われたか尋ねたところ、以下の回答を得られました。
図 事業場では新型コロナウイルス感染症に対してどういった対策が行われていたか(複数回答)
自己管理でできることを取り入れている事業場が多い
図の通り、風邪症状のある際の出勤停止や手洗いなど、自己管理でできることを取り入れている事業場が多く、全体の8割で実施されていることがわかりました。
一方で、人と人の間隔を2メートル以上保つ項目は、実施率が低い結果となったことがわかります。
人と人の間隔が十分に取れていない中、気温も湿度も高まっており、熱中症が大きな課題となりつつあります。
そのようななかで生活を送るうえでは「ソーシャルディスタンス」があらためて重要です。
ワークスペースを広く取ることは、感染症対策の観点から今後、特に求められてきます。
自由記入欄から読み取れること
また、この設問については、自由記入欄から読み取れることも数多くありました。
具体的な対策内容以外に、以下のようなコメントがあがっていたのです。
<事業場における感染症対策>自由記入欄より一部抜粋
・ 訪問していないので不明
・ 訪問辞退キャンセルのためわかりません
・ コロナウイルスに対する講話が主体で、電話で行っているため、特にチェックしていません
・ 直接出向いていないので、今度対策を聞き、アドバイスを行うつもりです
上記のとおり、感染症対策の状況把握が追い付いていない産業医が、一定数見られました。
この理由は、第1回でもご紹介したように、産業保健活動そのものの実施が見送られたことに起因します。
事業場との連携が一時的にでも途絶えてしまったことで、感染症対策の実態を確認できない状況が発生したのです。
流行の第2派に備え、各事業場においては、図の対策を検討、可能な限り実施するように努めていただければと思います。