どうすれば幸福になれるか?
- 2016/11/3
- メンタルヘルス
GDP世界第3位の日本。
不景気といわれて久しいですが、それでも世界的にみて、経済的・物質的豊かさは証明されているといえるでしょう。
その日本で今注目されてきているのが、「幸福感」です。
2011年には内閣府にて「幸福度に関する研究会」も発足されています。
それもそのはず。
米国のある調べによると、幸福を感じている日本人の割合は4割程度。これは同じ先進国内で比較して、際立って低いとされています。
国家の新たな成長戦略の一環として掲げられる「幸福感」の正体とは、なんなのでしょうか?
幸福感を構成する3要素
幸福度を決める要素として、以下のような理論があります
(持続的な幸福モデル:Sheldon, Boehm, & Lyubomirsky <2009>)。
●遺伝による幸福の設定値:50%
●日々の意図的な行動:40%
●環境:10%(富や容姿の美醜、健康などの要因・健康状態・収入・宗教等)
このモデルによれば、実に50%が遺伝子によって幸福感は決まるのです。
遺伝や脳のホルモンによってある程度、幸福の感じやすさは決定づけられるようです。
無論、すべてが「遺伝」で決まるわけではありません。
「幸福感」を得るためには、その他の50%に目をむけることが大切です。
残りの50%によって、確かに幸福感は変動するのです。
まずは、残り10%の要因である「環境」。
この環境とは、容姿や収入、地位、健康、既婚者か独身者などの外的要因をさします。
人々が幸福になるために努力している部分の典型かもしれません。
これらの環境が「幸福感」に影響を及ぼすのは10%。意外と低いと思いませんか?
この10%に固執するあまり、それこそ幸福度が低くなっているということはないでしょうか。
特にこの10%から得ることができる「幸福感」は一時的なもので、長続きしません。
さらにさらにと、どこまでも幸福感を追い求めていってしまうことになるのです。
「安心・安定」が大切な日本人にとって、幸福感の「持続性」はキーになります。
持続的幸福感を得るためには、残り40%の「日々の意図的な行動」が重要です。
「日々の意図的な行動」が幸福を大きく左右する
自らの意思によって活動(日々の意図的な行動)を持続することで、幸福感を上げる効果を持続できることがわかっています。
自分で考えて選択することに重要な意味があるのですが、そういった「意図的な行動」により自分の存在には価値があると思えるようになり、自分の存在意義や価値を感じられることが幸福感に大きく作用すると考えられます。
生活を振り返ってみてください。
自らの意思や決定により、行動を継続的に起こしているでしょうか。
広く普及しているSNSの使用法を例にとってみると、SNSを単に眺めているだけではなく、自ら投稿したり、「いいね」を押すことが、幸福感を得るSNSの使用方法とされています。
積極的に自ら社会と交わろうとして、周囲のサポートも得て、利他的であるということが幸福感の高い人の特徴とされているのも、「日々の意図的な行動」という要素で説明がつくのではないでしょうか。
成功が幸せをもたらすのではなく、幸せは「成功に先行する」
まとめると、会社でおかれている立場や、遺伝子や環境とは関係なく、自分の行動で幸福感は得られるということです。
決して何かに「満たされていること」が幸せではないということです。
物質的な欲は満たされることもなければ、長続きもしません。
幸せは、自分自身をコントロールし、行動を起こすことから生まれます。
一般的に「成功者」といわれる人達は、いつもパワフルで実行力があり、生き生きと幸せそうな人が多いですよね。
「成功」したからそういう人になったのではなく、おそらくそういう人達が「成功」を引き寄せているのでしょう。
職場でいうと、自らの仕事の意義を捉えなおし、自らを活かす仕事の方法を自ら考え行なっていくことで、仕事から幸福感を得られやすいことになります。
目先の幸福感ではなく、数十年先を見据えた幸福を築けるのは私たち人間にしかできないことです。
幸福を科学的な視点からとらえ直すことで、幸福への近道のヒントが見えてくるかもしれませんね。