ストレスチェック2年目、いかに仕切り直すか

昨年はストレスチェック初年度ということで、多くの人事・総務の方にとって多忙な1年であったと思います。
また、情報収集を含め、10月・11月の期限ぎりぎりで実施された企業も多かったのではないでしょうか。
今の時期は、高ストレス者の面接指導も一通り終えて、労働基準監督署への報告も済んだタイミングでしょうか。
しかし、もうすぐ年度が変わることもあり、次のストレスチェックに向けて動き出したい時期です。
2年目のストレスチェックに向けて布石とすべきポイントや、注意すべきポイントを考えていきたいと思います。

重要なのは事後対応

ストレスチェックは健康診断と同じく、経年変化と事後対応が重要です。
経年変化については、今後何回も実施を重ねていくことで見えてくる部分ではありますが、
皆様の会社ではストレスチェックの実施後にどのような対応を行ったでしょうか?
この、”どういった対応を行ったか”で、2年目のストレスチェックも変化を見せるかもしれません。
ストレスチェックでは受検者たる社員が同意するか、面接指導に申し出ない限り、会社が結果を確認することはできません。
ただ、確認できないからと実施した後に何も対応を行わないのでは、社員からすれば「結局法律に対応しただけで、会社は何も考えていない」と認識されることでしょう
たとえ1年目に受検率100%を達成した会社も、こう認識されてしまっては、受検率は低下しかねません。

せっかくコストを掛けて行うストレスチェックですから、目に見える受検率は高めたいことでしょう。
では、どういった対応をストレスチェック後に行う必要があるか提案をしていきたいと思います。

受検率向上に向けて布石となるポイント

①産業医・保健師等によるセミナーの開催

ストレスチェックを受検したことで、社員の健康観、特にメンタルヘルス・ストレスに対しては、意識が高くなっているはずです。
実施後、熱が冷めないうちにセミナーを開くことで、さらに健康意識を高め、会社としてもよりストレスチェックの実効性が上がってくるでしょう。

②外部相談窓口の設置や再周知

高ストレス者として判定された人の中には、なかなか会社に申し出ることができず、面接指導に至らない方もいます。
そうした方にとって外部の相談窓口というのは、会社に知られずに気軽に利用できて頼もしいものとなり得ます。
こういった事後措置を事業者が行うことで、社員に向けて「会社はストレスチェックを単なる法律対応と捉えているだけではなく、社員の健康管理の一環として考えている」という姿勢を見せることができるのではないでしょうか。

注意すべきポイント

受検率が極端に低下してしまった場合、部署ごとに状況を確認するとより課題が明確となってきます。
2年目に実施する際は1年目と比較して、受検率が低下していないか等をチェックしていきましょう。
たとえば、特定の部署で受検率が低下した場合は、その上司に対してストレスチェックの意義を説明し、再度部下へ周知してもらうことが必要です。
そのほかにも、受検の方法がネックとなってしまっている場合もあります。
パートタイマーの方や、工場勤務の方、事務所外で作業をしている人に対してはパソコンでの受検ではなくマークシートでの実施のほうが受け入れられやすいでしょう。
また、人事・総務の方々と話をする中でよく聞くのが、「集団分析結果を見てみたが、その事後措置をどうすればいいかわからない」という意見です。
集団分析の結果を人事・総務部内で確認するだけでは、どのような対応が必要なのか、判断が難しいかもしれません。
これに対しては、たとえば実施者の方より、コンサルティング的な立ち位置としてアドバイスをもらうことが重要となってきます。
昨年はストレスチェック1年目ということもあり、意味もわからずに受検する方が多かったかもしれません。
そうした点を振り返りつつ、会社がストレスチェックに対してどういったアプローチを行うかが、2年目の成功のカギを握るでしょう。

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