先の9月、電通社員の過重労働が原因の自殺が労災認定されました。
職場環境や健康管理体制について、今一度見つめなおすことが必要ではないかと感じます。
過重労働対策では、一体どのような取り組みが行われているのか、改めて見てみたいと思います。
月100時間超えの残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底
・ 監督の結果、違反・問題などが認められた事業場に対しては、是正勧告書などを交付し、指導を行う。
・ 法令違反を是正しない事業場については、送検も視野に入れて対応を行う。(送検した場合には企業名などを公表)
監督指導・捜査体制の強化
過重労働事案であって、複数の支店において労働者に被害のあるおそれがあるものや、犯罪事実の立証に高度な操作技術が必要となるものなどに対する特別チーム「過重労働撲滅特別対策班」(通称「かとく」)の設置。
情報の提供・収集体制の強化
・ インターネットによる情報監視(平成27年1月から施行実施)
・ 地方公共団体の労働関係部署や大学などの就職相談窓口と連携した情報収集(平成27年度に実施)
インターネットによる情報監視については、厚生労働省がインターネット上の求人情報などを監視・収集し、その情報を労働基準監督署による監督指導などに活用する。(平成27年度に本格実施)
メンタルヘルスの対策強化
過重労働による健康障害などに関する労働者等の相談に対応する電話相談窓口を設置。(平成27年度から実施)
また、違法な長時間労働を繰り返している企業へは、指導・公表が行われます。
指導・公表の対象は、次のⅠおよびⅡのいずれにも当てはまる事案であることが基準となります。
Ⅰ)「社会的に影響力の大きい企業」であること
・ 具体的には、「複数の都道府県に事業場を有している企業」であって、「中小企業に該当しないもの」であること。
Ⅱ)「違法な長時間労働」が「相当数の労働者」に認められ、このような実態が「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」こと。
・ 違法な長時間労働について具体的には、労働時間・休日・割増賃金に係る労働基準法違反が認められ、かつ1か月あたりの時間外・休日労働時間が100時間を超えていること。
・ 相当数の労働者について具体的には、1箇所の事業場において、10人以上の労働者または当該事業場の4分の1以上の労働者において、「違法な長時間労働」が認められること。
・ 一定時間内に複数の事業場で繰り返されているについて具体的には、おおむね1年程度の期間に3箇所以上の事業場で「違法な長時間労働」が認めれられること。