長時間労働が疑われる8,530事業場の実態とは

厚生労働省が平成27年4月から12月までに実施した、
「長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果」
をまとめ公表しました。

監督指導の対象事業場は

1.1か月当たり100時間を超える残業が行われた疑いのある事業場
2.長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場

上記ですが、その数は8,530事業場にのぼりました。

調査対象の半数以上で違法な時間外労働を確認!

今回の監督指導結果のポイントは下記の通りです。

1 監督指導の実施事業場:  8,530 事業場

このうち、6,501事業場(全体の76.2%)で労働基準法などの法令違反あり。

2 主な違反内容 [1のうち、下記⑴から⑶の法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]

⑴ 違法な時間外労働があったもの: 4,790 事業場(56.2 % )
うち、時間外労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
1か月当たり100時間を超えるもの :         2,860事業場 (59.7%)
1か月当たり150時間を超えるもの :           595事業場 (12.4%)
1か月当たり200時間を超えるもの :            120事業場 ( 2.5%)
1か月当たり250時間を超えるもの :           27事業場 ( 0.6%)

⑵ 賃金不払残業があったもの :813 事業場( 9.5 % )
うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり100時間を超えるもの :362事業場 (44.5%)

⑶ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 1,272 事業場(14.9 % )

3 主な健康障害防止に関する指導の状況 [1のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]

⑴ 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:6,971 事業場(81.7 % )
うち、時間外労働を月80時間※2以内に削減するよう指導したもの:5,167事業場 (74.1%)
⑵ 労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの: 1,558 事業場(18.3 % )
うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり100時間を超えるもの : 477 事業場 (30.6%)
※1 法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
※2 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。

具体的な監督指導事例も公表

上記調査に関する詳細はこちらです。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000116168.pdf

併せて実際に行った監督指導の内容も、下記の資料にて3パターン紹介されています。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000116167.pdf

今回の調査結果を受け、厚生労働省は今後も引き続き月100時間を超える残業が疑われる事業場への監督指導の徹底、そして過重労働の解消に向けて積極的に取り組んでいく方針ということです。

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