従業員45.5人以上の会社で障害者雇用が必要に(平成30年4月法改正)

すべての事業主(以下、企業)には法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。
これは、障害者雇用促進法で定められたもので、障害者が地域の一員として共に生活できる「共生社会」の実現を目的にしているものです。

今春、障害者雇用促進法の一部が改正され、平成30年4月から施行されることはご存知でしょうか。

法定雇用率が引き上げられます

今回の改正で注目すべき点は、法定雇用率の引上げに関する部分です。
これまでの法定雇用率は、以下の通りでした。

民間企業:2.0%
国・地方公共団体:2.3%
都道府県等の教育委員会:2.2%

今回の改正で、平成30年4月1日以降は、下記のように引き上げられます。

民間企業:2.2%
国・地方公共団体:2.5%
都道府県等の教育委員会:2.4%

上記の引上げにより、これまで従業員数50人以上の企業が対象となっていたものが、4月以降、従業員数45.5人以上(45.5×0.022≒1)の企業が対象となります

対象企業には追加義務も

この変更は多くの企業に影響があるものかと思います。
御社での対応準備は進んでいますか?
あわせて対象企業には下記の義務も課せられます。

・ 毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告
・ 障害者雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努める

また、対応の改善が見られない場合、企業名の公表という企業にとって大きなダメージとなる罰則が設けられています。

東京労働局職業安定部に確認を取りました!

上記の情報だけをみていくと、「今から6月1日までに雇用を進めないといけないの? 厳しいな!」と思われるかもしれません。
そこで東京労働局にお電話し、今後どう対応をとればよいか、単刀直入に「6月までに雇用が進まないと罰則を受けますか!?」と尋ねてみました。
担当官からの回答は下記のとおりです。

・ すぐに罰則ということはない
・ 障害者雇用がうまく進んでいない企業にはハローワークからも支援する体制を用意している
・ 企業と協力して障害者雇用を進めていきたい

担当官からは、「この制度も罰則の話が先行して広まっているんですけど、目的としては『障害者の雇用を促進すること』なんですよ」と半分嘆きのお話も聞かせていただきました
また今後、平成33年4月までに法定雇用率のさらなる0.1%の引上げを予定しているなど、本制度は拡充を進める流れとなっています。(2.3%となれば、従業員数43.5人以上の企業に義務が生じます)
罰則規定の有無にかかわらず、多くの企業で、対応準備を進める必要がありそうですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】改正育児・介護休業法の概要と背景を専門家が解説!

一目置かれる健康知識

  1. 「良い二度寝」と「悪い二度寝」がある?すっきり目覚めるポイントは20分
ページ上部へ戻る