部下のやる気を高めるコミュニケーションスキル
- 2016/4/11
- メンタルヘルス
良い職場にするために、日頃からのコミュニケーションは必要不可欠。
コミュニケーションについては誰もが意識しているところと思います。
でも、言葉を交わすことだけで満足してしまっていませんか?
会話はしているけれども、コミュニケーションがとれている気がしないという方に、「Iメッセージ」を紹介します。
Iメッセージとは、相手の行動や事実によって自分が受けた影響や感情を、相手に伝える表現方法で、メッセージを発する人「I(私)」が主語になる表現です。
同様に、主語が「あなた」になる表現方法を「YOUメッセージ」といいます。
下の例をもとに、ふだんの会話で自分はどちらの表現が多いのか、ぜひ一度振り返ってみてください。
IメッセージとYOUメッセージ
例)仕事ぶりを褒める
YOUメッセージ:「(あなたの)今日の提案、すごく良かったよ」
Iメッセージ:「今日の提案を聞いて、(私も)すごく勉強になったよ」
例)相手を怒る場合
YOUメッセージ: 「(あなたは)どうしていつも〆切を守らないんだ!」
Iメッセージ: 「〆切を守ってもらえないと、(私は)予定を変更して対応しないといけないからとても困る!」
一般的なコミュニケーションはYOUメッセージになりがちです。
職場では特に立場が上の人ほど多用しがちです。
YOUメッセージには、「評価」という観点がどうしても入ってしまいます。
そうなると、評価する側とされる側という関係性になり、対等なコミュニケーションにはなりにくいのです。
またYOUメッセージの場合、メッセージを発する側の主観であり断定的な表現になるため、場合によっては決めつけであったり、受け取り手がそう思っていない場合は嫌味に捉えられてしまったりする可能性もあります。
褒めたつもりが、相手は白々しく受け取っていたり……という経験はないでしょうか?
つまり、YOUメッセージは相手が受け入れてくれない可能性があるメッセージなのです。
一方、Iメッセージの場合は、自分の考えや感じたことを伝えるコミュニケーションのため、相手にそのメッセージを否定されることはありません。
価値観の対立も一般的には起こりにくいとされています。
怒る際も、Iメッセージで伝えた場合、怒られた側も相手の感情に意識が向かい共感するため、素直に行動を改善しようという気持ちになるのです。
何よりもIメッセージは、伝える側の気持ちをオープンにしているので相手の記憶に残りやすくコミュニケーションとして有効です。
Iメッセージが効果的な理由
人は、本能として自分の存在価値を認めてほしいという思いがあります。
自分が自分以外の人に何か影響を与えることができる存在かどうかが本能として気になるのです。
YOUメッセージは相手の言動に焦点を当てていますが、Iメッセージは、相手の存在自体に焦点を当てているとも言えます。
Iメッセージであれば、言われた相手は、自分の行動で相手の感情に影響を与えたと実感でき、「存在の承認」という本能的な欲求が満たされるため、心に響くのです。
この欲求を満たすために、Iメッセージ以上に有効なものがあります。
「WEメッセージ」と言われるものです。
YOUメッセージ:「この企画書、わかりやすいよ」
Iメッセージ: 「この企画書、わかりやすくて、(私も)嬉しいよ」
WEメッセージ: 「この企画書、わかりやすくて、チームとしても鼻が高いよ」
WEメッセージは、組織に貢献できたという気持ちがより感じられるため、Iメッセージ以上に、モチベーションのアップにつながります。
あなたが何かを伝える時、きちんと自分の感情を盛り込んでいますか?
事実や要求のみを伝えるコミュニケーションになっていませんか?
これらはコミュニケーションのテクニックではありません。
コミュニケーションとは、相手に関心を持って接し、自分の気持ちを開示することから成り立つものだということを再認識してください。
日々のコミュニケーションを少し意識し、やる気や自発性を促す職場にしていきたいものですね