現在、さまざまな企業で業務の見える化、技能・スキルの判断材料として、社内検定というものが採用されています。
特定の業務で一定の能力以上だと認められた場合、社内での資格を付与するというものです。
社内検定のメリット
社内検定を行うメリットとしては、下記のようなことが挙げられます。
◎ 業務の見える化、標準化
社内検定を導入するにあたり、どのような知識・技能が必要なのか整理をする必要があるため業務の見える化、標準化が見込めます。
◎ 労働者のモチベーションアップ
社内検定を目標にしたり、合格を自信にすることでモチベーションアップが見込めます。
◎ 生産性の向上
受検を通じての知識・技能の向上により、企業全体での生産性の向上が見込めます。
◎ 公平な人事評価
技能や能力に一定の評価基準を設けることで、客観的にみても公平な人事評価につながります。
社内検定活用例
実際の活用例として、大企業と中小企業で一社ずつ、人事育成プログラムや人事制度などと連携し、効果的に社内検定を導入している企業をご紹介します。
・ トヨタ自動車販売協会
提案力の向上を目的に、販売スタッフの知識と販売スキルの検定を設けており、明確に「人材育成の一環」と位置付けし人材育成プログラムに組み込むことで、スタッフのスキル向上につながっています。
・ 管清工業株式会社
こちらの企業は下水道等の管理・維持事業をおこなっている中小企業ですが、清掃スキルを判断するために「排水管理技能技術者」という検定を設けました。
合格者の社員証は色を分けるなどし、それにより社員のモチベーション向上とサービスの均一化につなげています。
このように労働者の能力を判断する際の1つの判断材料になりますので、公正な人事評価や生産性の向上、モチベーションアップなどに効果があります。
また、この2社の社内検定は、下記でご紹介する厚生労働省の社内検定認定制度を利用し、認定されています。
社内検定認定制度
厚生労働省に「社内検定認定制度」というものがあります。
社内検定認定制度とは、個々の企業や団体が、そこで働く労働者を対象に自主的に行って いる検定制度(社内検定)のうち、一定の基準を満たしており、技能振興上奨励すべきであると認めたものを厚生労働大臣が認定する制度です。
引用元:厚生労働省「社内検定認定制度」
厚生労働省に書類を申請し許可がでれば、社内で行われる検定に対し厚生労働省から認可が下ります。
社内検定認定制度を利用することで、社内検定に箔がつき、社内のみならず取引先や顧客相手にも影響を及ぼすことができます。
また、認可が降りる際には検定について入念な打ち合わせや、トライアル試験を行うので、社内検定をよりレベルの高いものにできます。
社内検定・制度を利用することで上記にあげたメリットや仕事の見える化、作業能力などをしっかりと判断することができ、職場環境の改善につながります。
検討してみてはいかがでしょうか。
<参考>
・ 厚生労働省「認定社内検定活用事例集」
・ 厚生労働省「社内検定認定制度」