こんにちは、産業カウンセラーの冨田です。
新年度が始まった4月から早3ヶ月弱……。
環境が変わった人も多いと思いますが、特に学生から社会人へと進んだ方々には、GWを終え、職場という環境に少し慣れた人もいれば、「あれ?」と思うことが増えている人もいるのではないでしょうか。
学生時代とくらべると環境を選べないのが社会人のさだめです。
自分にとって気持ちのいい人を選んで過ごしていた学生時代とは違い、相性の合わない人とも関わりを持たなくてはいけません。
働くなかで「話すの嫌だなぁ」と感じる相手もいることでしょう。
この「嫌だな」という感情は、日々積み重ねていくとストレスになります。
ちょっとしたことのように思いますが、仕事は1日8時間、週5日、人生100年と考えると、「塵も積もれば」なダメージになってしまいます。
そんなストレス・ダメージに対するアプローチとして、相手のタイプを分析することをおすすめしています。
相手を知り「ああ、あの人ってこうなのね」と納得することでストレスの受け止め方を変えていくというものです。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は意外と多くいらっしゃる「根拠のない自信に満ち溢れている人」について考えてみたいと思います。
早速ですが、チェックリストをご用意しました。
まずはあなた自身が「根拠のない自信に満ち溢れている人」なのかチェックしてみましょう。
<仮想的有能感を測定する尺度(速水俊彦教授)>
① 自分の周りには気のきかない人が多い
② 他の人の仕事を見ていると、手際が悪いと感じる
③ 話し合いの場で、無意味な発言をする人が多い
④ 知識や教養がないのに偉そうにしている人が多い
⑤ 他の人に対して、なぜこんな簡単なことがわからないのだろうと感じる
⑥ 自分の代わりに大切な役目をまかせられるような有能な人は、私の周りに少ない
⑦ 他の人を見ていて「ダメな人だ」と思うことが多い
⑧ 私の意見が聞き入れてもらえなかった時、相手の理解力が足りないと感じる
⑨ 今の日本を動かしている人の多くは、たいした人間ではない
⑩ 世の中には、努力しなくても偉くなる人が少なくない
⑪ 世の中には常識のない人が多すぎる1点:全く思わない 2点:あまり思わない 3点:どちらともいえない
4点:ときどき思う 5点:よく思う
点数が高いほど、あなた自身が根拠のない自信に満ち溢れている可能性があります。
「仮想的有能感」と呼ばれるもの
仮想的有能感は速水俊彦教授が提起した概念で、現代の若者が抱える問題として「他人を見下す若者たち」という著書も発表されています。
しかし、この問題は若者に限ったことではありません。
速水教授の研究では、中年期以降も仮想的有能感が高まる結果も出ており、大人である我々の周りにも抱えている人は多く存在しています。
① 横柄な態度や人を見下したような言動を取る
② 体験に基づかない、根拠のない自信がある
仮想的有能感が高い人はこういった特徴があります。
他人よりも自分が優れていると思い込み、高い自己評価をしてしまう……。
たとえば、やったことがない事に対して「自分だったらもっとできる」なんて口癖のように言っている人を見たことがありませんか?
仮想的有能感が高まる理由
なぜこういった感覚を持ってしまうのでしょうか。
速水教授曰く、仮想的有能感を持っている人は他者を軽視する傾向があります。
裏を返せば当人は「自分に自信がない」状態にあるのです。
自信がない人、自尊感情の低い人は、それを補おうとして他者を見下し、自分の体面を保とうとします。そして繰り返していくことでどんどん仮想的有能感が強化されていく、と考えられています。
どうしていけば良いのか
自分が仮想的有能感を持っているなと感じた方は「自尊感情を高める方法」を探すこと。
ちょっとしたことでも自分の存在意義を認めてあげる、自己肯定をする癖を身に付けていきましょう。(仮想的有能感も繰り返し強化されるなら逆もまた然りです)
自分が仮想的有能感を持っている人にストレスを感じているなら、「偉そうにしているけど、これは仮想的有能感かもしれない」「自尊感情を損なわないように接してあげよう」といったように、接し方を見直していきましょう。
わけもわからず見下されてると腹が立ちますが、知識がつくと「ああ、なるほどね」と納得でき、相手への理解が深まりませんか?
理由がわかれば対処法も考えていくことができます。
諦めてしまう前に、一度トライしてみましょう!