こんにちは、産業カウンセラーの冨田です。
今日も職場で起こりがちな問題について取り上げてみたいと思います。
SNSの普及など、さまざまな要因により、対面のコミュニケーション能力が低下しているといわれている昨今ですが、困ったときにうまくSOSを出せていますか?
一人で抱え込む人の特徴
人に頼みごとをしたり、助けを求めたりすることは、いざやろうとすると、頭でイメージするよりも難しく感じるものです。
相手の表情や、声のトーン、気になりますよね。
たとえば相手がとても忙しそうにしていたら、声をかけるのもはばかられてしまうこともあるでしょう。
特にそれが友達ではなく、職場の上司や同僚、部下に対してだとなおさらです。
<仕事を一人で抱え込みやすい人>
以下の点に当てはまる人は、仕事を抱え込みやすいといわれています。
① ダメな奴、能力がないと思われるのが怖い
② 完璧主義者である(自分一人でできる、やりたい)
③ 相手の顔色をうかがってしまう
「なんだか申し訳ないし、自分だけでがんばろう」
「ダメな奴だと思われたくない」
「一人でやった方が早いはず」
そんな気持ちになって、仕事を抱えてしまう人も少なくないはず。
ですが、実は人間には、誰かの助けを借りて初めてできるという領域があるのです。
発達の最近接領域
ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーが提唱した子どもの発達についての心理学論で、子どもが「自力で問題解決できる現時点での発達水準」と「他者からの援助より問題解決が可能となる、より高度な潜在的発達水準」の隔たりを発達の最近接領域といいます。
わかりやすく言うなら、いずれ自力で解決可能になる発達の可能性領域、つまり「伸びしろ」です。
皆さんはもう大人だから、子どもの発達なんて関係ないと思うかもしれませんが、社会人になりたての頃を思い出してみてください。
上司や先輩から業務を振られた時に、すんなり一人でできた業務と、周囲のサポートを受けることで初めて完遂できた業務がありませんでしたか?
大人であっても「自分一人で対応できる領域」があり、また「他者の援助を受けること対応できるようになる領域」が存在します。
前向きな気持ちで人を頼ることも大事
何でも一人でやろうとすることは、自分の仕事の幅を狭めてしまうことにもつながります。
自分だけではできないことも、周囲の援助があれば実現できることが多々あります。
他力本願ではなく必要に応じて、サポートを求めることは業務遂行上とても大切なことです。
時にはあなたが誰かを援助することで、相互に影響し合い、仕事をスムーズに進めていきましょう。