厚生労働省が発表した、新卒の3年後までの離職率はどの程度か、ご存知でしょうか。
実は3人に1人。約30%が離職するといわれているのです。
データからわかること
厚生労働省より、新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移について、以下のような発表がありました。
全体を通してみると、1年目、2年目、3年目で離職する割合には大きな変化はなく、毎年10%前後退職しています。
しかし、企業の規模ごとに見ていくと、離職率は大きく変化します。
【参考】新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内※の離職率の推移(厚生労働省)
従業員が30人未満の企業では、約半数の学生が3年以内に離職をしています。
また、従業員100人未満では約40%、1,000人未満では約30%、1,000人以上では約25%と、規模が大きくなるにつれて、退職率も下がる傾向にあるようです。
また、業界別にも見てみましょう。
【参考】新規大卒就職者の産業分類別(大分類)就職後3年以内の離職率の推移(厚生労働省)
こちらのグラフによれば、小売業は37.7%、教育・学習支援業46.2%、宿泊業・飲食サービス業49.7%となり、いわゆるサービス業の離職率が高い傾向にあるようです。
逆に製造業は19.5%、電気・ガス・水道業は10.8%、鉱業、採石業は12.4%と、他にくらべると離職率が低い傾向があります。
早期退職を避けるには
人数が少ない職場で離職率が高いのは、母数が少ないことも上げられますが、体制などの不備も考えられます。
内閣府発表の特集 就労等に関するわかものの意識調査によれば、初職の離職理由は「仕事が自分に合わなかった」が43.4%でトップ。
「人間関係がよくなかった」が23.7%、「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった」が23.4%、「賃金がよくなかった」が20.7%、「ノルマや責任が重すぎた」が19.1%です。
このような理由での退職には、福利厚生や条件面を見直すことはもちろんですが、教育体制や、職場環境を改善していくことも大切です。
また、改善方法としては、ストレスチェックを活用し、集団分析で問題点を把握するのも有効です。
ストレスチェックの集団分析を用いた働き方改革は現在注目されています。
もし年に1度運用されているのであれば、結果から体制などを見直してみることをお勧めいたします。
最後に
以前よりも転職が容易になった現代では、新卒の離職をおさえるのは難しい部分でもあります。
今後も離職率が大幅に低下することは難しいのではないかとは思いますが、どうすれば長く働いてもらえるかを考え実行することで、良い職場作りを目指す必要があります。
ぜひ今一度、職場の環境を見直してはいかがでしょうか。
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