毎日何かしらストレスを感じることがあると思います。
特に仕事については、ストレスを切り離すことは難しいのが現実です。
「○○さんと話すのが苦痛だから、異動したい!」
苦手な人との会話はとてもストレスを感じますよね。
でも異動は簡単に行われるものでもなく、ストレスフルな日々が続いてきます。
そんななかにあっても元気に生活するために、ストレス対処法(ストレスコーピング)を身に付けておくのが重要です。
今回は、「情動焦点型コーピング」「問題焦点型コーピング」という2つのストレスコーピングをご紹介します。
感情緩和>問題解決
情動焦点型コーピング
前述したように、仕事上のストレスは排除が難しいものです。
そんなときは、ストレスによって引き起こされた感情を和らげることを意識してみてください。
気晴らしや回避行動、願望思考を行うことで、ストレスのかかった状態を解消するというもので、これを「情動焦点型コーピング」といいます。
ご自身の生活を振り返ってみてください。
「情動焦点型コーピング」といわれると、なんだか難しいもののように思われますが、「気晴らし」だったら、日常的に取り込んでいますよね。
問題焦点型コーピング
対して、問題解決に焦点を当てているものを「問題焦点型コーピング」といいます。
ストレスの原因となっている問題を根本から解決する方法で、ストレスそのものをなくしてしまおうという手法です。
この2つのコーピングをうまく併用することで、長期的な心の健康に繋がったという研究結果もあります。
気晴らしがないと意味がない?
「情動焦点型コーピング」「問題焦点型コーピング」を組み合わせることで、ストレス反応が変化するのかどうか、日本人労働者418名を対象に1年間行われた研究をご紹介します(Shimazu & Schaufeli 2007)
この研究では、まず以下の2つのグループに分けました。
① 気晴らし(=情動焦点型コーピング)が多いなか中で問題焦点型の対処を行ってきたグループ
② 気晴らしが少ないなかで問題焦点型の対処を行ってきたグループ
すると、1年後のストレス反応はそれぞれ以下のようになりました。
① 低下する
② 上昇する
気晴らしを多く行ってきたグループのほうが、ストレス反応が低下し心の健康が促進されるのです。
気晴らし、実はこんなに重要だったんですね。
気晴らしのポイント
また、気晴らしというのも、継続的に行われなくてはなりません。
そのために、以下の4つのポイントを意識してみてください。
- メリットのあるもの:楽しい、面白い、苦痛がない、何かが身に付くもの
- 低コストなもの:時間や手間、費用があまりかからないもの
- 気晴らしのための環境作り:気晴らしに集中できるように不安要素を減らす
- 目的を忘れない:問題解決、目標達成のための気晴らしであること
ご注意いただきたいのは、気晴らしは問題解決や目標達成を目指す上での「手段」であって、「目的」ではないということ。
気晴らしが目的になっているのであれば、それは問題から「逃避」しているだけではないでしょうか?
感情緩和を行わない状態で問題解決を図ろうとしても中々うまくいきません。
相乗効果があることを理解して、2種類のコーピングを身につけていきましょう。