大人でもかかる!夏はとびひに注意
- 2018/8/8
- 病状・症状
夏は「とびひ」が増える季節
蚊が増えてくるこの季節、子どもの搔き壊しがいつのまにかとびひになってしまうことがあります。
とびひというと、子どもの病気のイメージがありますが、実は大人でもかかることがあります。
皮膚の病気だから大したことはないと放っておくと、全身の病気へと進行してしまうことも。
子どものとびひとの違いや、働くうえで気をつけることなどをご説明します。
「とびひ」とは?
とびひは正式には「伝染性膿痂疹」といって、虫刺されを掻きこわした傷口などが感染を起こし、じゅくじゅくしたり、膿が出るようになった状態です。
虫刺されを掻き壊すだけでとびひになることはなく、搔き壊した傷口から細菌が入り込むことによってとびひを発症します。
また、とびひには2種類あって、水疱ができるタイプと膿疱やかさぶたができるタイプがあります。
水疱ができるタイプは子供に多く、もう一方は大人によく見られます。
★ 原因は人間の常在菌
とびひの原因となる菌には、「黄色ブドウ球菌」や「A群β溶血性レンサ球菌」などがあります。
これらは常在菌といって、人間の皮膚、鼻の中、喉などに普段から生息して、特に悪さを起こさない細菌です。
蚊に刺された後の掻きこわしや、アトピーの悪化などによる傷口からこれらの細菌が入り込むことによってとびひを発症するのです。
★ とびひはうつる?
とびひは自体がどんどん感染していくわけではありませんが、とびひになっている部分や潰れた水疱から出た膿には原因となる細菌が含まれているため、それらを触った手で別の傷口を触ってしまうとそこからまた細菌が入り、とびひが広がっていきます。
★ 全身の症状に発展することも
とびひは基本的には皮膚の病気ですが、ただの皮膚の病気と思って、放っておくと全身の症状に発展することもあります。
搔き壊しなどで傷が広がり、深くなると、今度は血液中に細菌が入り込み、血液の流れに乗ってあっという間に全身の血液に広がります。
いわゆる「敗血症」と呼ばれる状態になり、全身が細菌に感染した危険な状態です。
こうなってしまうと、塗り薬や内服治療だけでは治すことができず、抗生剤の点滴をして入院するようなことにもなりかねません。
傷口から膿が出るような時には、酷くなる前に皮膚科を受診することをお勧めします。
仕事はどうしたらいいの?
とびひは学校感染症のなかでは第3種に当たり、「医師の診断、治療を受け、患部を包帯やガーゼで覆って露出しない状態であれば登校可能。病変の範囲が広く、多発している場合は休むべき」という判断になっています。
ただしこれは学校における場合なので、子供同士よりも接触が少ない大人の場合は、酷くなければ必ずしもこの限りではないと考えられます。
ただし職場で人にうつさないために、適切な治療を受けて、患部を覆って露出しないようにしたり、十分な手洗いをするなどして清潔にする必要があります。
また、とびひになったり疑わしい場合は家庭でも注意が必要です。湯船には入らず、シャワーですませるようにしたり、タオルを家族と共有しないようにしましょう。
また、体を洗う際はゴシゴシとこすらず、泡で優しく洗うように気をつけましょう。