「夏を乗り切ろう 前編:食生活を変えよう!」にて、夏に体がだるくなる理由をお話をさせていただきました。
この記事にて、食べるものを選んで、疲労回復・スタミナの増強、食欲を低下させない秘訣について理解していただけたかと思います。
体力や食欲は、食べるもので補うことができますが、そもそもの体力を回復させる休息がなければ元も子もありませんね。
しかし、夏といえば昼夜問わず続く暑さで、身体のリラックスが妨げられます。
今から準備をはじめておくことで、夏本番に差し掛かってもしっかりと休養できる環境を整えて、夏の体調不良を予防していきましょう。
休養の質が体力回復の要!
富山大学大学院医学薬学研究部の研究では、27℃の環境温設定で睡眠をとった結果、被験者は「暑苦しい」と感じ、22℃の環境温設定で睡眠をとったほうが深く睡眠していたことが明らかになっています。
また、リラックスした時に働く神経である副交感神経系が、27℃の環境温設定での睡眠は優位にはならなかったという結果もあります。
つまり、暑苦しいと主観的に感じる環境での睡眠は、快適な睡眠状態には至らないといえます。
熟眠が妨げられてしまっては、心身の回復効果を十分に得ることはできません。
夏場のエアコンの利用は良いの? 悪いの?
エアコンは身体には良くない、という説もありますが、睡眠の質を高めるためには就寝時の温度管理が極めて重要です。
ただ、エアコンで涼しく設定された環境で過ごし続けることで、日中猛暑にさらされた時の温度差や体温を調節する機能がストレスを受け、それが夏場の体調不良につながってしまいます。
空調設備以外でも快適な環境は保てる
昨今はさまざまな熱中症対策グッズが販売されているので、そちらを活用されることが大変お勧めです。
冷えピタなどの冷却ジェルシートを大きな血管が通っている首元へ貼ること、アイスノンのような氷枕も心地よい冷たさをもたらしてくれる効果があります。
その他、冷感効果のある寝具や、通気性の良い素材でできた肌着・寝衣を着用し、エアコンの温度を1度上げるだけでも身体への負荷は変わってきます。
夏の熟眠を阻害する要因は暑さだけではありません
このようにしてしっかり休める環境を整えても、意外な要因で睡眠が妨げられることがあります。
それは、かゆみです。
虫刺されや汗疹などかゆくてイライラしてしまうことはありませんか?
見落とされがちですが、こちらも睡眠の質を低下させるもの。
日中は汗をかいたらしっかりとふき取る、入浴後の保湿、虫刺されには塗布薬を使用するなど、些細なことのように思われますが、睡眠の質を高めるには大事です!
身体をしっかりと休めることは、体調管理の基本であり、要といえます。
睡眠環境や寝衣など、一つひとつの対策は非常に微細なものですが、侮るなかれ。
あなたにあった睡眠の質を下げない工夫を見つけて、猛暑に負けない身体でこの夏を乗り越えていきましょう。