夏風邪は犬も食わぬ
ほぼ全国的に梅雨入りし、これから本格的な夏がやってきますが、「夏風邪は犬も食わぬ」ということわざをご存じでしょうか。
これは、夏風邪は長引いて厄介なため、夏に風邪を引くくらい馬鹿らしいことはないというたとえからきています。
このようなことわざがあるように、夏の風邪は実に厄介なものです。
厚労省から、2017年は例年よりも夏風邪の一つ「アデノウイルスによる咽頭結膜熱」が過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっており、流行していると発表されています。
夏風邪の特徴
夏風邪の代表は、急性上気道炎、胃腸炎、ヘルパンギーナ、手足口病をもたらすエンテロウイルスやプール熱(咽頭結膜熱)をもたらすアドノウイルスによるものが主なものです。
高温・多湿を好む、感染力が強いなどが特徴です。
また、夏の風邪は、喉の痛みなどで食事が取れなくなることが原因となって夏バテを起こしてしまい、体調不良が長引いてしまうことがあります。
夏風邪の予防
風邪の予防には大きく分けて2つあります。
ひとつは「ウイルスへの接触を避ける」、もうひとつは「接触しても感染・発症する前にウイルスを排除させてしまう」ことです。
ウイルスへの接触を避ける
- 風邪をひいている人が周囲にいる環境にいる場合はマスクをする
- おう吐物、下痢などの処理にはゴム手袋を使用する
- 夏風邪は、湿った場所を好むためタオルの使いまわし共用などを避ける
接触しても感染・発症する前にウイルスを排除する
- 手洗い、うがいをしっかりと行う
- エアコン使用による急激な気温変動も体調不良へとつながるため、エアコン温度の設定はほどほどにし、冷えを感じる環境にいる場合は、足や肩の保温を行う
- 睡眠をしっかりととる
- 食事は欠食せず、栄養バランスに気を付ける
夏風邪かなと思ったら
夏風邪かなと思われる症状がみられたら、こじらせないための対処が必要です。
働いていて忙しい場合、まずは手ごろな市販薬にて経過を見る場合が多いかと思いますが市販薬の使い方にも注意が必要です。
のどの痛み
軽度であればマスクも効果的ですが、夏風邪には多湿で不潔な環境を好むという特徴があるため、マスクは早めに交換し、常に清潔なものを付けるように心がけましょう。
下痢
身体の中に入ったウイルスを排出するために起こる作用であり、市販薬で止めてしまうと症状が重症化したり、長引くことになりかねないません。
そのため、下痢止めは使わず様子を見るようにしましょう。
夏は普段から脱水に注意しなければなりませんが、下痢が起こっている場合はより脱水に注意し水分摂取を多めに行い、様子を見るようにしましょう。
結膜炎
夏風邪の症状の一つに結膜炎があります。
目の充血や目やにの症状がある場合、病院を受診しましょう。
アデノウイルスによる流行性角結膜炎の場合は、必ず仕事などを休まなければならないという決まりはありませんが、感染力が非常に強いため医師によって出勤停止といわれることが多くなっています。
視力の低下などの後遺症が残る危険性もあるため、しっかりと休むようにしましょう。
発熱
夏風邪の場合、少し高めの熱(38~40℃)が2~3日続くことがよくあります。
そのような時は水分を十分に摂ってぐっすり眠り、体力の回復を心がけましょう。
いずれの症状の場合も、休養をしっかりととり、体力の回復を心掛けましょう。
また、ひどくなるような場合は病院を受診し、医師の指示を仰ぐようにしてください。
夏風邪に、周りへの感染力が非常に強いという特徴があります。
自分が夏風邪をひいているかもと思ったときは、周りへ感染をさせないようにという心遣いも忘れずに。