スメハラや香害から身を守ろう
- 2018/6/7
- 労働環境
満員の通勤電車で隣の人の匂いが気になったり、生活のなかで誰かの香水、口臭、たばこ臭の匂いなどが気になったりした経験は誰にでも一度はあると思います。
今回は、労務的な観点から「香り」を考えてみましょう。
スメルハラスメントをご存知ですか?
体臭、口臭、加齢臭、柔軟剤、デオドラント剤、たばこ臭などの匂い全般に関する問題を、スメルハラスメントといいます。
パワハラ、マタハラなどさまざまな種類のハラスメントのなかでも、誰でも容易に加害者になる可能性があり、かつ本人が加害者であることに気づきにくいハラスメントであると考えられています。
加害者本人に悪気がなく、かつそれを指摘することで当人の気分を損なうのではないか、などの考えから「改善してほしい」とを伝えるのが困難に感じる部分もあるでしょう。
一方で、個人の問題でなく職場全体の課題として捉えれば、対応しやすい可能性があります。
服装規定などと併せて、香水禁止や昼食後の歯磨きをルール化する等の選択肢もあります。
匂いが原因で職場の生産性が下がったり、士気に影響が出たりすることのないよう、適宜対応を考えていきたいですね。
香害とは?
スメルハラスメントのなかでも、香水や柔軟剤などの人工的な匂いや香料に起因するものは「香害」と呼ばれています。
ところで香害が蓄積されると、なんと病気の要因になり得ること、ご存知でしょうか?
化学物質過敏症になると……
消臭剤、柔軟剤、洗剤、香水などに含まれる化学物質(香料)を体内に蓄積した結果、少しでも化学物質を吸っただけで頭痛、嘔吐、めまい等の身体症状が生じる体質になってしまう病気を、「化学物質過敏症」といいます。
一度罹患してしまうと特効薬はなく、人工香料や化学物質を避けて生活したり、免疫力を上げたり、デトックスを心がけるしかないようです。
それでも、症状が重くなるとシャンプーやトイレットペーパーでさえ症状を誘発してしまい、寝込んだり動悸がしたりということも。
もしも社員が化学物質過敏症になってしまったら、就業の継続自体が危ぶまれることになりそうです。
香りとうまく付き合おう
著者も以前、化学物質過敏症の方と実際お会いしたことがありますが、そこで使われていたルームコロン入りの空気清浄機も撤去しないといられないという様子でした。
これから日増しに暑くなり、デオドラント剤のお世話になる機会も多くなる季節です。
香りや匂いの感じ方や体質は個人差が大きいもの。
それを踏まえたうえで、上手に取り入れていきたいですね。