新入社員への安全衛生教育は、法律でも定められている必須項目です。
しかし、製造業や建設業では「労災防止」「事故防止」など教育内容が具体的であるのにくらべ、デスクワーク中心の業種では、安全衛生教育そのものが実施されていない、あるいは「何をしてよいのかわからない」という声をよく耳にします。
今回は、オフィス向けの「新入社員への安全衛生教育」の内容について、具体的なご紹介を交えつつお伝えします。
安全衛生教育で外してはいけないポイント
安全衛生教育に関して法律で定められている項目は、先にご紹介した記事に詳しく記載してありますが、オフィスの場合は、特に以下の4項目を網羅する必要があります。
☑当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
⇒オフィスワークの場合は、パソコンの長時間使用に伴うVDT症候群や腰痛に加え、運動不足による生活習慣病も大きな問題となっています。
☑整理、整頓(とん)および清潔の保持に関すること。
⇒整理整頓は、清潔保持という観点だけではなく、災害時の危険防止という観点からも大切な課題です。
☑事故時等における応急措置、および退避に関すること。
⇒新入社員は、オフィスの中や周囲のことをよく知りません。
災害が起きた時に、適切な消火活動や避難を行えるように、早い段階で指導をする必要があります。
☑前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全、または衛生のために必要な事項
⇒その他、「女性社員が多い」「入寮する社員が多い」「入社後のメンタル不調事例が多い」など、企業の内情に即したプログラムを組み入れると良いでしょう。
オフィス向け 安全衛生教育の具体例
ここで、デスクワーク中心の企業の安全衛生教育プログラムの1例をご紹介します。
②社内外の相談窓口の紹介(セクハラ・パワハラなど)
③産業医・衛生管理者の紹介
②入社後の健康管理について(産業医講話)
産業医の先生が講話するテーマは色々考えられますが、「睡眠・栄養・運動」など、基本的な生活指導を組み入れるのも効果的です。
社会人にもなって生活指導? と感じるかもしれませんが、社会人になって初めて一人暮らしをする人も多く、飲み会など加わって一気に生活が乱れやすい時期です。
最近では、入社時健診の時期から肥満や肝機能・脂質の異常を抱える社員も多くなってきており、入社後のストレスや生活の乱れで、更に健診結果が悪化する傾向にあります。
入社したばかりの時期だからこそ、自身の健康を見つめなおす機会を持つことが大切になってきます。
「安全衛生教育」は健康投資
最近では、企業が従業員の健康に投資することで、企業価値を高めていく「健康投資」という言葉も生まれています。
これから先の企業を支えるであろう新入社員の健康を守っていくことも、健康投資の大きな柱ではないでしょうか。
ドクタートラストの「衛生委員会ハンドブック」では、労働災害やVDT症候群など様々な切り口から使える講義資料を無料提供しています。
この機会に、ご活用いただけましたら幸いです。
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