- Home
- ワークライフバランス, 労働環境
- 男性育休取得率をいかに上げるか
男性育休取得率をいかに上げるか
- 2017/2/7
- ワークライフバランス, 労働環境
厚生労働省は、先日イクメン企業アワード2016の受賞企業を発表しました。
男性の仕事と育児の両立を積極的に推進し、業務改善改善を図る企業を表彰するものです。
イクメン企業の多様な取り組み
・育児中の男性社員に有給休暇を取得できる短期育児休職制度を導入。
・記念日休暇として、年次有給休暇を付与。
・ワーク・ライフ・バランスを考え、勤務時間削減への取り組み。
・育児休業取得者によるパパ座談会、父親セミナー等、育児中男性社員対象のイベント開催。
上記取り組みは一例に過ぎず、育児中の男性への支援は企業により様々だと言えます。
また、男性社員の育児休暇には、休暇中どのような育児を行なったか等のレポート、報告書の提出を義務付けている企業が多くあります。
日本ではまだまだ浸透していない
育児休暇を取得したいが、会社になかなか言いづらい男性社員が多くいるのではないでしょうか…。
男性が育児休暇を取得する際にありがちなデメリットを挙げてみます。
①収入が半減!
育児休暇中は会社から給与は払われず、雇用保険の育児休業給付金制度で、会社の給付の50%ほどの支給です。
②出世に影響⁉︎
まだまだ日本には浸透していないので、会社からマイナス評価を受けがちになります。
育児=女性というイメージはまだ根強いというのが本音でしょう。
上記デメリットをどのように改善していくかが、今後の課題となります。
男性育休所得率8割のスウェーデン
世界的に見て、スウェーデンが男性の育児休暇を積極的に推進しています。
スウェーデンでは男性の育児休暇取得率は、約80%です。ちなみに日本の男性は2.63%と圧倒的に差があります。
元々はスウェーデンも日本と同水準の取得率でしたが、父親専用よ育児休暇が法的に作られてから、劇的に変化しています。
以下、スウェーデン独特の制度をご紹介します。
・育児休暇期間の1年4ヶ月のうち、母親と父親でそれぞれ60日間ずつ取得しなければならない。
・子供が8歳になるまでの間に、1年4ヶ月の育児休暇を分割して取得することもできる。
日本と比較しても、期間こそは日本より2ヶ月間短いですが、自由度に大きな違いがあります。
日本が抱えるデメリットを、スウエーデンでは自由度を与えることでカバーできているからこそ、男性の育児休暇取得率に大きく反映されているのではないでしょうか。
日本企業に求められる対策
過重労働対策により、現在働き方改革が進められており、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をよく耳にするようになりました。
日本も2017年1月より、妊娠・出産等(=マタハラ防止)のハラスメント相談窓口の設置が企業に義務付けされています。
まだまだ始まったばかりの制度であり、知らない方も多いと思いますが、目指すのはマタハラ防止だけでなく、働きやすい職場づくりです。
妊娠・出産・育児といったライフイベントは、働き方に制約を与える場合があります。
制約のある男性・女性も含め、すべての社員が働きやすい職場にするために、組織としてどのような取り組みを行っていくかが、今後ますます求められていく時代になります。
男性社員が育児休暇を取得することで、母親の負担も軽減され、男性・女性問わず働き易い職場を増やすことが、出生率の増加、女性のキャリア形成、男性の労働時間等、日本全体に数多くの良い影響を与えるでしょう。
2017年度のイクメン企業アワードでは、一つでも多くの企業が受賞を目指し、取り組んで欲しいものです。