
毎年7月1日から7日までは「全国安全週間」です。
全国安全週間は、1928年から続く歴史ある取り組みで、労働災害を防止するために産業界での自主的な活動の推進と、職場での安全に対する意識を高め、安全を維持する活動の定着を目的としています。
厚生労働省は2026年度のスローガンとして、「多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場」を掲げています。
安全は一部の人だけの仕事ではない
「安全」という言葉を聞くと、工場や建設現場を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、安全はすべての職場に共通するテーマです。
オフィスにおいても、転倒事故や腰痛、長時間の不自然な姿勢による身体への負担など、さまざまなリスクが存在します。
また、近年は高齢者、外国人労働者、未経験者など、多様な人材が活躍する職場が増えています。
経験や知識の違いによって危険への気付き方も異なるため、「知っている人が注意すればよい」という考え方ではなく、全員が安全に関心を持つことが重要です。
身近な「ヒヤリ・ハット」を見逃さない
重大な労働災害は、ある日突然発生するわけではありません。その背景には、「危なかったけれど事故にはならなかった」という小さな出来事が数多く存在します。
たとえば、以下のような経験はないでしょうか。
・ 通路に置かれた荷物につまずきそうになった
・ 濡れた床で滑りそうになった
・ 重い荷物を無理な姿勢で持ち上げた
・ 電源コードが足元を横切っていた
具体的な事例として以下のものがありました。
事例:事務用品倉庫でコピー用紙を中腰で取出し中、よろめいた
作業の種類:荷物の取出し
ヒヤリ・ハットの状況:コピー機のコピー用紙が少なくなったため、事務用品倉庫のコピー用紙棚からコピー用紙の入った箱を持ち上げるときよろめいてギックリ腰になりそうになった。
実際に腰痛は労働災害の大きな要因の一つであり、職場のあんぜんサイトの「動作の反動・無理な動作」の事例集でもヒヤリハット事例の共有、厚生労働省の「腰痛を防ぐ職場の事例集」で腰痛予防が紹介されています。
対策のポイントとしては、以下があります。
・ 一人で無理に持たない
・ 腰だけで持ち上げず膝を使う
・ 台車を活用する
いずれも自身の意識で改善ができたり、少額の費用で改善ができるものですので、積極的に教育や対策対応を検討してみると良いかと思います。
私自身、プライベートですが、重い荷物を地面から持ち上げるときにぎっくり腰になり、2日間も仕事を休んだことがありました。
厚生労働省によると、近年は高齢者を中心に転倒や腰痛といった、労働者の行動に起因する死傷災害が増加しています。
また、死亡災害は減少傾向にあるものの、休業4日以上の死傷災害は増加傾向が続いており、職場全体での継続的な取り組みが求められています。
だからこそ、「これくらい大丈夫」と見過ごさず、気付いた時点で改善することが大切です。小さな気付きの積み重ねが、大きな事故の防止につながります。
ヒヤリハットとは、事故にはならなかったものの「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした出来事のことです。重大な事故の背景には、多くのヒヤリハットが潜んでいるといわれています。
一人ひとりが気付きを共有し、職場全体で改善につなげることが、安全な職場づくりの第一歩です。
一人ひとりの行動が安全意識を作っていく
安全な職場は、ルールや設備だけで実現するものではありません。
職場で働く一人ひとりの意識と行動によって育まれるものです。
たとえば、以下のような日常の行動も立派な安全活動です。
・ 整理整頓を心掛ける
・ 通路や避難経路を塞がない
・ 無理な作業をしない
・ 体調不良を我慢しない
・ 危険に気付いたら声を掛け合う
特に近年は、多様な働き方や人材構成の変化に対応した安全管理が重要視されています。
経験年数や職種に関係なく、誰もが安心して働ける環境づくりには、全員参加の姿勢が欠かせません。
全国安全週間をきっかけに、自身の働く環境を改めて見直してみてはいかがでしょうか。
安全は特別な活動ではなく、日々の小さな心掛けの積み重ねです。一人ひとりの意識と行動が、事故のない職場、そして安心して働ける職場づくりにつながります。
私たち全員で、安全な職場文化を育てていきましょう。
<参考>
・ 厚生労働省「令和8年度『全国安全週間』を7月に実施」
・ 厚生労働省「全国安全週間・全国労働衛生週間・表彰」
・ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」
・ 厚生労働省「腰痛を防ぐ職場の事例集(PDF)」


















