今や常識となりつつあるテレワークという働き方。
ここ最近注目されるようになった働き方のように思えますが、実は20年以上も前から、日本テレワーク協会が「テレワーク」の普及促進を目的にとした「テレワーク推進賞」を年に1回行っていることをご存知ですか?
2021年2月24日(水)「コロナを乗り越えて!スマート社会に向けたテレワーク」をテーマに、第21回テレワーク推進賞表彰式が開催されましたので、最高位となる会長賞(テレワーク実践大企業部門)を受賞した3社の取り組みや事例をご紹介したいと思います。
それぞれの企業の個性が光る取り組みを、テレワーク導入の成功事例としてぜひ参考にしてみてください。
【株式会社リコー】社員の働き方を徹底調査!柔軟で最適な出社率の設定で成功!
株式会社リコーは、1990年代からワークスタイルの変革や、多様な働き方のための職場環境作りに取り組んできました。
2016年度には在宅勤務を制度として導入し、その制度を進化させ続けることで、2020年10月にはリモートワークを標準化しました。
リモートワークを標準化するために、自社社員に対してさまざまな調査を行い、その結果から導き出した「職種ごとの最適な出社率」を設定したそうです。
一言でリモートワークと言っても、最適なワークスタイルは部署や仕事内容によって異なります。
全社一律ではなく、仕事内容に合わせて柔軟に出社とリモートワークを組み合わせることで、生産性や業務効率を落とさずにリモートワークの標準化が実現できたのでしょう。
「テレワークの成果を、働き方改革の実現に結びつけた典型的な成功モデル」と評価され、以下の取り組みが受賞理由となりました。
・ 新型コロナ感染症対策への応用
・ 社員調査結果を参考に作り上げた職種ごとの最適な出社率の設定
・ 経営トップの積極的な在宅勤務の実践
さらに詳しい取り組み内容は以下の発表資料をご参照ください。
◆ 株式会社リコー「創ろう! My Normal ~社員一人ひとりの「”はたらく”歓び」の実現に向けて~」
【株式会社スタッフサービス・クラウドワーク】重度身体障がい者の安定就労を実現!
株式会社スタッフサービス・クラウドワークは、通勤が困難である重度の身体障がい者の在宅就労を推進するために、全国人材総合サービスを展開するグループ会社の事務処理などを行っています。
2021年2月現在では、303名が在宅ワークを行っているとのことで、そのサポート体制も手厚いものになっています。
在宅勤務は、会社勤務とは違って孤独感を感じやすいです。
そういった課題に対しては、Web会議を活用してコミュニケーション自体を「仕組み化」し、社員が長く働いてくれるように対策を行いました。
その結果、在宅社員の入社1年後の定着率は、97.0%(20年9月現在)と高い数値結果となったそうです。
一般的に、身体障がい者の定着率は60.8%(※1)と言われています。
それに比べるとかなり高い定着率を実現していることが伺えます。
今回のテレワーク推進賞では、就労機会の乏しい地方在住の重度身体障がい者を対象に、完全在宅就労という理想型を実現したとして、群を抜いた就労定着率の高さが評価点となりました。
さらに詳しい取り組み内容は以下の発表資料をご参照ください。
◆ 株式会社スタッフサービス・クラウドワーク「テレワークの孤独感を解消!重度身体障がい者の安定就労を実現した雇用モデル」
【Empowered JAPAN 実行委員会】テレワーク人材研修などを無償で提供!
Empowered JAPAN実行委員会は、日本マイクロソフト株式会社を事務局として、2018年に発足しました。
「いつでもどこでも誰でも、働き、学べる世の中へ」をコンセプトに、企業や個人に向けてテレワーク研修を実施しています。
コロナ禍により政府が「テレワーク推奨」の呼びかけを行ったことを受け、全国各地の組織や個人がテレワークを実施することができるよう、有益な情報を伝える無料ウェビナーを緊急開催するなど、テレワーク推進に大きな貢献をしたとして表彰されました。
これまでに57コンテンツ、20 万人以上の方に講演・動画・資料が活用されるなど、今後も日本全国のテレワーク普及に大きな役割を果たす活動を行っています。
さらに詳しい取り組み内容は以下の発表資料をご参照ください。
◆ Empowered JAPAN 実行委員会「全国の個人と企業が持つポテンシャルをテレワークと学び直しによって最大化する実証プロジェクト」
<参考>
・ 一般社団法人 日本テレワーク協会「第21回 テレワーク推進賞表彰式・事例発表 開催いたしました。」
※1 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者職業総合センター一般企業への就職後の障害別職場定着状況」より(2017年4月)