新卒の3年以内の離職率が発表されました~離職率が高い業種や企業規模は?~
- 2020/12/29
- 労働環境
新規学卒就職者の離職状況が発表されました
厚生労働省は、平成29年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後の3年以内の離職状況について調査しました。
その結果、新規高卒者の39.5%、新規大卒就職者の32.8%が、就職して3年以内に離職していることがわかりました。
この数値は、ここ数年と比較して特に大きな変動は見られませんでした。(昨年の離職率:高卒:39.2%、大卒:32.0%)
新規学卒就職者の離職理由
内閣府が全国の16歳から29歳までの男女に対して行った調査によると、若者の初職の離職理由として以下の点が多く挙げられていました。
・ 仕事が自分に合わなかった
・ 人間関係が良くなかった
・ 労働時間、休日、休暇の条件が良くなかった
・ 賃金が良くなかった
こうした結果を踏まえ、新人教育・研修や福利厚生の充実など若者の離職率を防ぐ取り組みが重要になってくると思います。
事業所規模、業種ごとに見た離職率
新規大卒就職者および新規高卒就職者の離職状況を事業所規模に比較してみると、新規高卒就職者・新規大卒就職者ともに、事業所規模が30人未満の企業では、半数以上の人が3年以内に離職している結果となりました。
事業所規模の小さい企業では、新規学卒者に対する教育や、福利厚生などが、事業所規模の大きい企業にくらべ、充実していないことが影響していると考えられます。
次に、産業別に比較してみると、新規大卒就職者・新規高卒就職者ともに「宿泊業、飲食サービス業」において最も離職率が高く、「電気・ガス・水道」などのライフラインを扱う企業で、最も離職率が低い結果となりました。
若者の離職率を下げるには
厚生労働省の報告より、新規学卒者の離職率に大きな変化は見られなかったものの、昨今の新型コロナウィルスによる、雇用・社会情勢の不安定化や新しい働き方の広がりにより、今後この数値は大きく変動する可能性があると感じました。
たとえば、新型コロナウィルスの流行後、在宅ワークを取り入れる企業が多くありました。
在宅勤務では、自分のペースで仕事ができるメリットがある反面、同僚などとのコミュニケーションがとりにくいといったデメリットもあります。
新入社員にとっては、気軽に先輩や上司に質問ができないことや、指示が通りにくくなるので「そもそも何をしたらよいか分からない」など、仕事において孤立を感じる人が多くなると考えられます。
そういった原因からの離職を防ぐためにも、1日の中で複数回コミュニケーションを図る時間を作るなどの取り組みが有効になるかもしれません。