障害者が権利や自由を持って働けるよう、周囲が適切な対応を行う「合理的配慮」を行ううえでは、精神障害の理解を深めることが重要です。
これまでに「統合失調症」、「双極性障害」を紹介してきました。
第3弾の今回は、精神疾患のなかでも「発達障害」がどういうものなのかをご説明します。
精神障害者が向き合う精神疾患~発達障害~
「発達障害」は生まれつき脳の一部の機能に障害があると言われており、次のように分類されています。
・ 自閉症
・ アスペルガー症候群
・ 広汎性発達障害
・ 学習障害
・ 注意欠陥多動性障害(ADHD)
・ その他、これに類する脳機能障害
それぞれの特徴が少しずつ重なり合っている方も多くいらっしゃいます。
発達障害者支援法では「症状が通常低年齢において発現するもの」とありますが、発現はしていても大人になるまで気づかず、「生きづらいなあ」と思いながら過ごしてきた方も少なくありません。
その「生きづらさ」ゆえに生活に自信がなくななってしまい、抑うつ症状を訴えて障害が判明することも多いです。
「大人の発達障害」という言葉が有名ですね。
治療までの経過や症状などに個人差が大きい障害と言えるでしょう。
発達障害を持つ方に見られる行動
おおまかではありますが、この障害を持つ方は次のような特徴が見られます。
・ 一つのことに強くこだわる
・ 集団行動が不得手
・ 忘れ物が多い
・ 落ち着きがない
・ 得意なこと、苦手なことの差が激しい
・ 音に敏感
生活の実例で例えると、以下のような行動がみられるのではないでしょうか。
・ 興味があれば食事も忘れて没頭する
・ 体のどこかをいつも動かしている
・ 話していても、目が合わない
・ 皿が合わさる音すら強く嫌がる
この疾患を持つ方の良いところ
発達障害はさまざまな形態があるため一概には申し上げられないのですが、「一点集中」の強みを持つ方が多いです。
・ 人と話すことは苦手でもパソコンは長けている
・ 落ち着きはないが、様々なことに気づく観察力がある
・ 文章をまとめることは苦手だけど、計算は得意 など
何かに生きづらさを抱えても、何かに飛び抜けた才能を見出すことがあります。
「苦手」を可能な限りフォローし、「得意」を磨くことが理想的です。
そのような関わりができると、複雑なコンピュータのシステム言語をあっとういう間に覚え作業に没頭するという才能を開花させ、敏腕のプログラマーになるという方もいらっしゃいます。
この障害も、脳の機能へ働きかける薬があります。
また、上述のように「苦手」をカバーし「得意」を伸ばすという、上手な生き方を習得することができる支援が広がっています。
地域の発達障害者支援センターや行政に相談窓口がありますのでご活用ください。
本日は、発達障害のお話でした。
そのほかにも、たくさんの精神疾患がありますが、話題にのぼることが多い統合失調症、双極性障害、発達障害を3回に渡りご紹介しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。