セカンドオピニオンという言葉を良く耳にするようになりました。
セカンドオピニオンは、そのまま日本語にすると「第2の意見」になります。
日本では特に医療の場面において、「セカンドオピニオン」を使いますが、そのなかでも「がん治療」の場面で用いられることが多くあります。
このセカンドオピニオン、目的は主治医以外の医師から治療法や、別の選択肢がないかなどを聞いて、より良い納得のいく治療をすることです。
今や、一昔前とはくらべ物にならないほどがん治療は進歩し、早期発見できるケースが増えたことにより、必ずしも「がん=死」ではなく「がんと共に生きる」という概念が一般的になりました。
また、治療の進歩により以前なら離職して治療に専念しなければいけなかったことも、働きながら、もしくは一時的な休職によって治療を継続できるケースも増えています。
しかし、セカンドオピニオンという言葉に誤解を持っている方がいるのも事実です。
もし自分や家族が癌になりセカンドオピニオンを受けたいと思った時、どのようにしたらいいのでしょうか?
医者を変えたい=セカンドオピニオンではない
「今の先生とは合わないから病院を変えたい」
「今の治療に納得が行かないから他の病院に行きたい」
「今の主治医には内緒で、他の病院にも行ってみよう」
実はこれはセカンドオピニオンではありません。
セカンドオピニオンとは、治療を受ける主治医が決まった状態で、より良い治療や別の視点がないかを模索する目的で別の医師の意見を聞くことです。
そのため、現在の主治医にセカンドオピニオンを受けたい旨を伝え、検査結果や紹介状などを作成してもらう必要があります。
胃がんと診断されて手術を勧められたけれど、内視鏡での治療が可能かどうか、より専門の医師の意見を聞きたい。
がんの末期と診断され積極的な治療ができないと言われたけれど、何か他の治療や新薬の治験などを受けられないか?
このような場合がセカンドオピニオンに該当します。
セカンドオピニオンは原則自費診療
セカンドオピニオンは、「診療」ではなく「相談」という形をとるので、原則は自費の扱いとなります。
30分や60分など時間単位で費用がかかる場合が多く、60分で4〜5万円近く必要なこともありますので、事前に十分調べ、考えたうえでセカンドオピニオンを受けるようにしましょう。
納得のいく治療を
インターネットやテレビ、本など現代の社会にはたくさんの情報があふれています。
昔なら目の前にいる医師の説明がすべてでしたが、今はさまざまな情報が手に入るようになり、自分自身で治療や医師を選べる時代になりました。
治療に迷った時、疑問を持った時、セカンドオピニオンを受けると言う選択があることを忘れないでください。
セカンドオピニオンは決してネガティブな感情から生まれるものではなく、病気についてより知識を得たり、別の視点で治療を考えたり、また新しい治療の情報を得ることができたりと、本来はポジティブなものなのです。