昼食を済ませたあとの眠い時間、メールを返信し、事務作業に取り掛かる…。
睡魔と戦いながら単調な仕事をしていると、ついミスをしそうになって、ハッ!としたことはないでしょうか。
事務作業をしていると記載情報に誤りがないかをチェックしますが、その際のチェックが完全ではなく間違った情報で作業を進めてしまっていたというヒューマンエラーは、どの職場でも発生する危険性を持っています。
これは長時間短調な仕事を繰り返し行うことによる集中力低下が原因によって引き起こされます。
今回はこういったヒューマンエラーをなくす2つの方法を紹介します。
ヒヤリ・ハットを見逃さない!
普段の作業で1人が1,000件こなすなかで1件のミスを犯すとすると、単純に1人がミスを犯す確率は0.1%であり、ダブルチェックでは0.0001%となります。
たった0.0001%と侮ってはいけません。
うっかりミスであっても医療や建設現場など、業種によっては重大な事故につながる可能性があります。
そこで、結果として大きな事故にはいたらなかったが、「ヒヤリとした」「ハットした」といったような出来事(ヒヤリ・ハット)を見逃さないことが重要になります。
個々人のヒヤリ・ハットを察知して共有することにより、それ以上の重大な失敗を回避することにつながります。
ハインリッヒの法則によると1件の重大な事故の背景には、29件の事故と、300件の軽い事故があるといわれており、こうした事故の背景に潜むヒヤリ・ハットをいかに顕在化させ、同じミスを繰り返さないようにするかが重要となります。
無駄話をしよう!
働き方改革によって、就業時間中の無駄話を禁止とする企業がでてきました。
社内ツールの普及によって、社内の人とのやりとりは全てチャットで済ませてしまうという企業もあるそうです。
しかし、長時間の単調な仕事をしているときには、無駄話をすることによって刺激が加えられ、集中力の向上につながります。
また、無駄話はインフォーマルコミュニケーション(組織や集団内で行われる、非公式かつ偶発的なコミュニケーション)の一つであり、抵抗を感じにくいため息抜きとしての効果を発揮し、集中力向上の効果を見込むことができます。
実際に、インフォーマルコミュニケーションは集中力向上に限らず、暗黙知(経験や勘に基づく知識で、言語化しにくいもの)の知識継承にもつながり、生産性向上に一役買っています。
ダブルチェックをしよう!
人は必ず失敗をするものであり、ヒューマンエラーを完全になくすのは不可能です。
しかし、個々人が注意して作業にあたることはもちろん、組織として向き合い方を少し変えるだけで大きくリスクを避けられるものです。
ダブルチェック一つをとっても、2人目は1人がチェックしているという意識があると効果が薄れてしまうため、注意喚起をするなど日頃の業務からリスクに目を向けてみましょう。