「作業に集中したいけど、話しかけられる度に作業が中断し、手元の仕事がなかなか進まない」
「人に教える手間を考えると、自分でやったほうが早い」
「特定の人や部署に業務が集中し、残業量に大きな差がある」
今回はこのようなことの要因の一つとして、業務の属人化について考えてみたいと思います。
属人化とは
Weblio辞書では以下のように定義されています。
企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現。
多くの場合批判的に用いられ、誰にでも分かるように、マニュアルの作成などにより「標準化」するべきだとされることが多い。
企画・開発業務など、属人化されているのが一般的と言われる業務もある。引用元:Weblio辞書
属人化のデメリット
①効率が下がる
「〇〇さんがお休みだから今はわかる人がいない」というように、すぐに問い合わせなどに対応することができません。
②品質管理
本人だけが仕事の内容を把握しているので、周囲の人間が仕事の品質を確認することができません。
③負担が偏る
マニュアルなどがないため、繁忙期でも人に作業を割り振ることができません。
④引継ぎ時の負荷
本人が退職する際の情報量が膨大になり、引継ぎ作業が大変になる可能性があります。
また、急な退職などで引継ぎ漏れがあると、後任が十分な対応ができないというリスクが発生します。
⑤休暇の取得
社内に他の担当者がいないため、休みたい時に休めないという事態が起こりえます。
さらに、休暇中でも問い合わせが来てしっかり休むことができない可能性もあります。
属人化が発生する背景は?
属人化が発生する背景として
・専門的な知識を必要とする業務であるため、やむなく経験、知識を持つ社員のみが対応している
・業務多忙によりマニュアルを作成する時間がない
という理由が考えられます。
その他、業務をあえて属人化することで自身の地位を守ろうとするケースも考えられます。
必然的に属人化せざるをえない業務もあるかと思いますが、上記のようなデメリットを考えると業務を標準化することで解決できる問題も多々ありそうですね。
脱・属人化 どうすればいい?
業務の見える化、マニュアルの作成等により業務を標準化していくことができます。
①属人でないと成り立たない業務と、しくみ化できる業務を分ける
②仕組み化できる業務について、流れなどをマニュアル等で可視化する
③ポイントや注意事項も盛り込む
④実際に代行者に案件を任せてみる。または定期的に担当者を交代する
また、責任や決裁権が特定の人物に集中する事で俗人化が起きている場合は、権限を分散するという対策も考えられます。
事例紹介
株式会社ロックオンでは、2011年から「山ごもり休暇制度」という、全社員が会社との連絡を一切断ち、9日間の休暇を取得する制度を導入しているそうです。
(企業情報はこちらから)
1年前から休暇の予定を立て、決めた日程を変更するには社長決裁が必要という徹底ぶり。
それにより、年間の業務を棚卸しする機会になり、また引継ぎフォーマットを社員全体へ共有することで、業務の属人化を防止する意図があるそうです。
より働きやすい仕組みを作っていく為に、社内・部内で標準化できる業務がないか、一度見直してみると良いかもしれませんね。