5つの予防方法と2つの解決方法で、パワハラ対策を進めよう
- 2019/2/18
- ハラスメント
2018年11月24日付の記事で、パワハラに関する法整備が厚生労働省の労働政策審議会で議論されている旨をご紹介しました。
さて、このパワハラですが、「未然に防ぐこと」、そして起こってしまった後にそのままにするのではなく「再発を防ぐこと」が重要なのではないでしょうか。
このパワハラ対策の基本的な枠組みを構築するためには、7つの取り組みを実施すると良いといわれています。
そして、この7つの取り組みは、5つの「予防方法」と2つの「解決方法」に分かれています。
今回はこの7つについて、それぞれのポイントとともに見ていきましょう。
パワハラを予防するための5つの取り組み
① トップのメッセージ
企業・組織のトップが、職場のパワハラは職場からなくすべきであることを明確に示す。
<メッセージの例>
当社は、ハラスメント行為は断じて許さず、すべての従業員が互いに尊重し合える、安全で快適な職場環境づくりに取り組んでいきます。
② ルールを決める
就業規則に規定を設け、労使協定を締結する。
<ルールの注意点>
就業規則を変更した場合は、内容の周知が義務付けられています。
従業員等への説明や文書での配布等も忘れずに実施しましょう。
③ 社内アンケート等で実施を把握する
従業員に対しアンケート等を実施し、状況を把握する。
<アンケートのポイント>
対象者が偏らないように注意しましょう。
正確に実態を把握するためには、匿名での実施が効果的です。
④ 教育をする
研修等を実施し、企業・組織の全体を教育する。
<教育のポイント>
研修等は、可能な限り全員が受けられるようにし、かつ定期的に実施することが大切です。中途入社等も忘れずにしましょう。
⑤ 社内で周知・啓蒙
企業・組織の方針や取り組みについて、周知・啓発を実施する。
<周知・啓蒙のポイント>
周知と具体的な取り組みが一体となっている場合はより効果的です。
計画的に継続した周知を実施していきましょう。
パワハラを解決するための2つの取り組み
① 相談や解決の場を提供する
企業・組織内・外に相談窓口等を設置し、職場の対応責任者を決める。
<相談窓口等のポイント>
相談者は不利益な扱いを受けないこと、相談内容等の秘密は守られることを明確にしておきましょう。
② 再発防止のための取り組み
行為者に対し再発防止の研修等を行う。
<再発防止策>
・ 行為者に対し、社内に限らず社外セミナー等に参加してもらいレポートの提出等をさせることも一つの方法です。
・ 事例が発生した際、メッセージや情報を発信すると、職場を預かる管理職に効果が見込まれます。
起こる前に予防すること、起こってから解決すること
パワハラが起こる前に予防するには、パワハラが起こってしまった後に解決するには、企業・組織のトップから従業員まで全体が取り組むことが重要です。
また、冒頭の労働政策審議会から、2018年12月14日、建議として「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について」が厚生労働大臣に提出・公表されています。
今後は、厚生労働省内でこれに則った法案が作成され、早ければ今期の通常国会中に、提出される見通しです。
もちろん法制の動向も気になりますが、パワハラ対策というのは、何よりも自主的な取り組みが重要だと思います。
まずは上記でご紹介した予防策のうち、できるものから始めてみましょう。
<参考>
・ あかるい職場応援団「パワハラの定義」
・ あかるい職場応援団「パワハラ対策7つのメニュー」
・ 労働政策審議会建議「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について」