高齢者介護施設における安全衛生教育マニュアル
- 2017/3/13
- 労働環境
「待機高齢者」に関する問題
国内の65歳以上の高齢者は、2015年から2025年までの10年間で262万人増加すると推計されており、介護需要の増加が見込まれています。
政府は健康寿命をのばすことを目指していますが、要介護要支援認定者および、要介護3以上(入浴・排泄などの行動だけでなく、立ち上がりや歩行などの動作も1人ではできない方)と認定される高齢者の割合を大幅に減らしていくことは、なかなか難しい状況です。
また、2014年時点で家族の負担が少ない介護施設の定員数は要介護要支援認定者の 16%をカバーする程度しか整備されておらず、「待機児童」ならぬ「待機高齢者」という言葉が出てきてしまうほど深刻な問題になっています。
スタッフ不足の現場で労働災害を防ぐには
社会福祉施設での主な労働災害のうちの65%が介助に伴う「腰痛」や「転倒」となっています。
特に経験年数の浅い1~3年未満の労働者の被災が多くを占めていて、こちらを防止するために中央労働災害防止協会が「高齢者介護施設における雇入れ時の安全衛生教育マニュアル」を作成しました。
「高齢者介護施設における雇入れ時の安全衛生教育用パンフレット」では、実際に起きた事例などをもとにわかりやすいイラスト付きで説明が書かれています。
また、施設内のことだけではなく、利用者の送迎時や労働者の通勤時における交通事故についての注意点や、夜勤前の対策などについても広く記載がありますので、雇い入れ時の教育にそのまま使用できる内容となっています。
労働者の健康や安全を守ることは、結果としてその施設の利用者の身の安全を守ることにつながり、利用者に質の高いサービスを提供することもできるようになります。
今一度、職場環境をより良いものにしていくために見直してみてはいかがでしょうか。