インフルエンザかも?と思ったら。受診のタイミングと内服薬の知識

2019年11月13日、国立感染症研究所より、インフルエンザの流行入りが発表されました。
過去20年間で2番目に早い流行入りです。
2019年は夏の終わりからインフルエンザの患者が発生していました。
要因の一つとして、ラグビーワールドカップが無関係ではないという見方があります。
それというのも、ラグビーワールドカップに南半球から大勢のファンが日本を訪れましたが、ちょうど南半球では冬の終わりでインフルエンザが流行していた可能性があるためです。
また、2019年は残暑が厳しかったことから、室内を締め切りエアコンを使うことで、インフルエンザが流行する冬と同じような環境になってしまったことも要因と考えられています。
皆さん、予防接種は受けましたか。
予防接種を受けていても「絶対にインフルエンザに感染しない!」とは言い切れません。
今回は、「インフルエンザからも知れない?」と思ったときに読んでいただきたい、どのタイミングで医療機関を受診すべきかなどをご説明します。

受診(検査)のベストタイミングは、発症後12~48時間

インフルエンザ検査を受けるタイミングは発症後12時間から48時間がベストだと言われています。
これよりも早いタイミングで検査をしてもウイルスが検出されずに、陰性と結果が出てしまう可能性があります。
また、インフルエンザの内服薬はウイルスの増殖を抑える効果があります。
そのため、遅すぎるタイミングで検査を受けてインフルエンザと判明しても、すでにウイルスが増殖しきっているようであれば内服しても効果はあまり期待できません。

話題の内服薬「ゾフルーザ」は効かない?

インフルエンザが陽性だった場合、薬が処方されます。
現在は、内服薬としてタミフル・ゾフルーザ、吸入薬としてはイナビル・リレンザなどが使用されています。
2018年のインフルエンザ流行シーズン、一度の内服で効果が得られるとのことで、ゾフルーザが話題になりました。
しかしこのゾフルーザが効かない耐性ウイルスの出現が問題になっています。
そこで2019年10月、日本感染症学会と日本小児科学会はこのゾフルーザについて以下のとおり提言をまとめました。

① 12~19歳および成人:臨床データが乏しいなかで、現時点では、推奨/非推奨は決められない。
② 12歳未満の小児:低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する。
③ 免疫不全患者や重症患者では、単独での積極的な投与は推奨しない。

内服薬を飲まなくても治るから検査は必要ない?

インフルエンザにかかっても安静にして市販薬を飲んでいればそのうち治ると侮ってはいけません。
実はインフルエンザウイルスと相性の悪い市販薬もあるのですす。
おかしいなと感じたら医療機関を受診して、検査を受けることをおすすめします。

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中山 真樹株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

看護師として病棟勤務を経て、現在は企業様を対象に保健師業務を行っております。企業の健康管理室に出向していた経験、また、現在訪問企業で実施している業務からヒントを得て、皆様が知りたいことをお届けしたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、養護教諭一種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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