たびたびニュースで目にするトラック運転手の過労死や、過労による不注意運転、居眠り運転等の事故など…。
トラック運転手の労働条件は過酷で低賃金というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
日本では、トラック運転手の長時間労働が年々深刻化しています。
トラック輸送状況の実態
国土交通省および厚生労働省で行われた「トラック輸送状況の実態調査」の結果概要が下記に公表されています。
参照:http://www.jta.or.jp/rodotaisaku/kyogikai/yuso_chosa.html
調査によると、長距離運行の平均拘束時間は16時間を超えているという驚きの結果が出ました。
また、ドライバーの拘束時間等の分析によると、拘束時間が 13 時間を超える運行が全体の 36.6%、16 時間を超える運行が全体の 13.0%あるという結果に。
調査が行われた 7 日間のうち「休日がなかった」と回答したドライバーが、全体の 9.8%にも上りました。
なぜこのような状態になってしまったのでしょうか?
その理由のひとつとして、トラック運転者の仕事内容が挙げられます。
たとえばドライバーには手待時間というものが発生し、その時間が労働時間として含まれます。
※ 手待時間:使用者の指示があればただちに作業に従事しなければならない状態にある時間のこと。たとえば、休憩中の電話当番や、トラックドライバー等の運転手の駐停車時間など
また、手荷役(手作業での貨物の積み込みや荷下ろし)が発生したり、業務の性質上深夜労働が多かったりなど、効率化や機械化などの対策では解決できない問題が多くあるのが現状です。
こういったドライバーの現状、荷主となる企業と運送業者とが互いに正しい情報を得て、双方が歩み寄ることができるためのサイトが新たに開設されました。
それが、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」です。
「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」とは
「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」(https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/)は、国土交通省「『ホワイト物流』推進運動ポータルサイト」(https://white-logistics-movement.jp/)と連携しています。
まずは国民に、トラック運転者の仕事を知ってほしい!
トラック運転者の長時間労働を改善するための第一歩として、必要なのが、国民に正しい知識を持ってもらうことです。
その上で、国民にできること、やってほしいことに関する情報が発信されています。
荷主となる企業と、トラック運送事業者が双方に歩み寄るために
1. 簡単自己診断ページが開設(2019年10月時点では準備中。2019年12月ごろ公開予定)
現状に関するチェックシートに回答することで、その企業にあったトラック運転者の労働時間削減対策が提供されます。
2. サッと解決よろず相談ページ
トラック運転者の労働時間削減のためのQ&Aが分かりやすく提示されています。
3. 情報いろいろ宝箱ページ
運送サービスにおけるさまざまな役立つコンテンツが入手できます。
トラック運送サービスを持続的に提供可能とするためのガイドラインや、労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストなど、今すぐ使えるお役立ち資料が盛りだくさんです。
活用しなきゃ損です!
全国で行われるセミナー情報が申し込める
2019年10月~2020年3月の間に、全国47都道府県にて荷主となる企業やトラック運送事業者を対象としたセミナーが全50回開催されます。
このセミナーは厚生労働省が行うもので、トラック運転者の労働時間短縮の進め方のノウハウが主なテーマとなります。
「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」でセミナー詳細が確認でき、オンラインで申し込みが可能です。
一人でも多く運送業の正しい知識をつけることが、現状を変えていく第一歩となります。
本ポータルサイトを大いに活用して、トラック運転者の長時間労働の改善に役立てましょう。