バランスがとれた非常食の選び方~「ローリングストック」で上手に備蓄しよう~

9月に台風15号が、そして翌10月には台風19号と、2019年は大型の台風が相次いで発生し、広範囲で断水、停電が続いています。
災害でライフラインが途絶えると、食事は行政からの配食、炊き出し、個人で備蓄していた非常食等での生活になります。
皆さまは災害に備えて非常食を備蓄していますか?
「日持ちするもの」といえば、カップラーメンや乾パンなどがありますが、長い期間をインスタント食品だけで過ごしていると、栄養バランスが偏り、疲れが出やすくなったり、高血圧の心配もあります。
ただでさえ疲れがたまってしまう避難生活。
食事による体調不良はできるだけ起こしたくないですよね。
本日は、いつ起こってもおかしくない災害に備えた非常食について、できるだけ栄養バランスが良い食品の選び方をご紹介します。

栄養バランスが崩れた時のリスク

長期間の栄養不足は、さまざまな体調不良の原因となります。
疲れやすさ、体力の低下、頭痛、めまい、便秘、口内炎、インスタント食品が続くことによる高血圧などが挙げられます。
また、ビタミンやミネラルが不足することにより、イライラしやすくなるなどの精神的不安定ももたらす可能性があります。
長い避難生活で非常に体力を使う上に、このような体調不良が出てくると非常につらい状態になってしまいます。

実際の選び方

基本的に、食事はカップ麺や乾パンだけではなく、主菜と副菜もあわせて選びましょう。
主食+主菜+副菜をそろえることで、避難生活の中で少しでも体調管理を行うことができます。
最低でも3日~1週間分×人数分の備蓄が望ましいです。
また、自治体が作成するハザードマップなどを確認し、お住まいの地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも大切です。

以下に、家庭備蓄の例をご紹介します。

◎ 家庭備蓄の例(1週間分/大人2人の場合)

・水
2L×6本×4箱(飲料用+調理用)

・主食
米2kg×2袋
パックご飯×6個
カップめん類×6個
乾麺類(そうめん、パスタ)×2袋
他、シリアルなど適宜

・主菜
レトルト食品(丼やカレーなど)×18個
パスタソース×6個
缶詰(肉や魚、豆類)×18個

・副菜、その他(数は適宜)
日持ちする野菜類
野菜ジュース
インスタント味噌汁、即席スープなど(最近は粉末のほかフリーズドライのものも多く売られています)
調味料、清涼飲料水など

「ローリングストック」で上手に備蓄しよう!

上記に示した量を見て、「こんなに保管するスペースがない…」を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方には、「ローリングストック」をお勧めします。
ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分をその都度買い足す方法です。
この方法ですと、非常食用のスペースも少なくて済み、常に一定量の食品の備蓄ができます。
ローリングストックのコツは、備蓄食品を以下の2種類に分けて保管することです。

・ 非常食…災害時の備えとして用意し、主に災害時に使用するもの
・ 日常食品…日常から使用し、かつ災害時に使用するもの

ローリングストック用の食品は、2種類の中の「日常食品」をメインに備蓄、そして使用しましょう。
災害はいつ自分の身に降りかかってくるかわかりません。もしもの時のために、しっかり備えをしておきましょう。

<参考>
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

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