スマホで聴力を失う?世界で警鐘!スマホ難聴

11億人もの若者が難聴リスクにさらされている!

WHO(世界保健機関)では、3月3日の国際耳の日に際して、若者の11億人がスマートフォンなどの音響機器利用や娯楽イベントの大音響により深刻な難聴リスクにさらされていることを警鐘しています。
2019年2月12日、WHOはジュネーブの同本部より、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーなどの音楽機器を使用する若い世代のおよそ半数に「難聴の危険」があるとし、その回避策として、ITU国際電気通信連合とともに国際基準を発表しました。

スマホ難聴とその兆候

スマホ難聴は聴覚障害の感音性難聴に含まれます。
大音響ノイズへの暴露により、聴覚器官の内耳にある蝸牛(うずまき管)の音を感じる細胞へ影響を及ぼしてしまいます。
そして、障害を受けた細胞は生成する治療はないため、正常な聴力を維持するには予防が重要になります。

※聴覚障害とは、外部の音声情報を大脳に送るための部位(外耳、中耳、内耳、聴神経)のいずれかに障害があり、聞こえにくい、あるいは聞こえなくなっている状態のことをいいます。
その中でも感音性難聴は、内耳、聴神経、脳の障害による難聴です。

以下の状態に心当たりがある場合、それはスマホ難聴のサインかもしれません。

□ 耳鳴り
□ 耳が詰まった感じがする
□ いつも聞こえていた呼びかけに反応できない
□ 複数の人との会話や騒がしい場所での会話が聞こえにくい
□ テレビの音量を上げてしまう

聴力を守る1日の許容範囲は?

WHOによれば聴力を守るための許容範囲は「100デシベルの騒音であれば15分以内」とし、スマートフォンなどで音楽を鑑賞する場合は「1日1時間以内」に控えるべきとされています。

<音の大きさの例>
100デシベル → 電車が通る際のガード下、ドライヤー
90デシベル → 騒々しい工場の中、バイク
85デシベル → ヘッドホンやイヤホンを使用し音楽を聴く場合の最低の大きさ
80デシベル → 電車、地下鉄の車内

スマートフォンで音楽を聴く際には、1日1時間以内に控え、音量はできるだけ下げましょう。
音量を下げて聴く工夫としては、できるだけ静かな環境で聴く、といったことが挙げられます。

仕事への影響

スマホ難聴になると、仕事などの生活において以下の影響が挙げられます。

・注意力の低下
・会話の聞き取り低下
・他人とのコミュニケーション力の低下
・記憶力の低下 (音という脳に届く信号の機能が低下するため、音声処理するためには脳に多くの負担がかかってしまうため)
・職務効率の低下
・イライラ、ストレス、憂鬱などの精神的な不安定
・引きこもるなどの社会からの孤立

スマホを音楽機器として常日頃から使用している人は、すでにスマホ難聴リスクがある状態だといっても過言ではありません。
この状態をどう受け止めますか?
その意識がその行動を変え、今後の未来を豊かなものにすると思います。

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金城志織株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

総合病院で看護師を経験したうえで、大学時代より興味のあった予防医学の分野で活動したく、現在は産業保健師として働いています。幸福は健康から! そのために働きながら皆さん自身が健康に取り組める、また過ごせるような情報をお伝えしていきたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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