医薬品・化粧品などを海外から購入するリスク

海外旅行へ行かれる際、よく効くとされる医薬品やサプリメントをお土産に購入されたことがあるという方は少なくないのではないでしょうか。
また、最近ではインターネットでの海外通販を利用して購入する、という方も増えているようです。
これらは「個人輸入」とされ、自分自身で使用する場合には一定の範囲内であれば認められており、違法とされていませんが、個人輸入した製品を他の人に売ったり、譲ったりすることは認められていません。
加えて、健康被害をはじめとするさまざまなリスクがあるとされており、その危険性を十分に理解しておくことが必要です。
今回は、医薬品等の個人輸入に伴ういくつかの注意点をお話ししていきたいと思います。

個人輸入が認められている範囲について……

個人輸入は原則として地方部局である地方厚生局に必要書類を提出し、薬事法に違反する輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、決められた範囲内であれば税関の確認のみで通関するこができます。
その範囲は、一般の個人が自分で使用するために輸入する場合で、処方箋薬は用法用量から見て1ヶ月以内、貼り薬や目薬などの外用薬や化粧品は一品目につき24個以内など個人で使用する適量についてのみ認められています。
しかし、なかには自己判断で使用すると重大な健康被害を生ずるおそれがある医薬品もあり、それらは数量にかかわらず、医師の処方箋が確認できない限り一般の個人による輸入は認められていません。

危険性(リスク)ってどんなことがあるの?

個人で医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等を海外から購入する際は、リスクをしっかりと理解した上で、購入する必要があります。
厚生労働省のパンフレットに次のような危険性があると記されています。

!日本の薬事法に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていません。

!虚偽または膨大な効能・効果、安全性などをうたっている場合があります。

!不衛生な場所や方法で製造されたものかもしれません。

!正規のメーカー品を偽った、偽造製品かもしれません。

!副作用や不具合などが起きた場合に、対処方法が不明なことがあります。

購入・使用は自己責任で!

日本国内で正規に流通する医薬品には、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害を生じた場合に、被害者の救済を図る公的なしくみ(医薬品副作用被害救済制度)がありますが、個人輸入された医薬品による健康被害は、救済対象とならず、自己責任になるということです。

インターネットで購入する際は、輸入代行業者を利用する場合もありますが、トラブルが生じた場合に、輸入代行業者は責任を負わず購入者の責任とされることもあるので注意が必要です。
医薬品はもとより化粧品もこれらの対象となるので、インターネットでの購入や海外旅行へ行かれる際には、一度、厚生労働省のホームページ「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」をぜひご覧ください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

小橋 凛株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

留学経験や外資系企業、大手企業での就業経験を通じて、働き方について外国と日本のギャップを目の当たりにしました。
会社の規模に関係なく、働く人を取り巻く環境を変えていかなければ、過重労働やメンタルヘルス不調が減ることはありません。
他業種での経験を活かして、元気で健康な社員づくりに努めていきます 。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 衛生委員会等のオンライン開催についての通達が示されました

    【動画あり】もっと深く知りたい方必見!衛生委員会等のオンライン開催について詳しく説明します

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る