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いよいよ来年度から申込開始 有期雇用から無期雇用へ
- 2017/12/26
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2013年に有期労働契約で働く人が安心して働き続けることができるよう、労働契約法の改正が行われ、「無期労働契約への転換」「雇止め法理の法定化」「不合理な「労働条件の禁止」」の3つのルールが規定されました。
とくに1つ目の「無期労働契約への転換」については、長年有期雇用契約で就業している労働者の方々にとっては朗報となり、当時大変話題にもなりました。
この無期転換ルールに基づく無期転換の申込みが、来年2018年度から本格的に始まることをふまえ、いま一度、内容を確認しておきましょう。
無期転換ルールとは
無期転換ルールとは、労働契約法の改正により有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき、労働者本人の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるというものです。
通算期間のカウントは、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約が対象となります。
契約が1年更新の場合、5回目の更新後の1年間に、3年更新の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申込み権が発生します。
労働者が無期転換の申込みをすると、使用者が申込みを受諾したとみなされ、その時点で無期労働契約が成立します。
成立した無期労働契約の開始日は、申込み時の有期労働契約終了日の翌日となります。
使用者側が注意すべき点
使用者側が無期転換に対応するにあたって、注意しなくてはいけない点は大きく分けて3つあります。
① 転換後の労働条件
原則として、直前の有期労働契約と同一になります。
職務内容に変更がないにも関わらず、無期転換後の労働条件を低下させるのは望ましくないとされています。
② 無期転換申込み権を事前に放棄させる
契約更新の際に、無期転換の申し込みをしないことを条件とするなど、労働者に圧力をかけ、申込み権を破棄させた場合、法の趣旨から、そのような破棄の意思表示は無効とされます。
③ 雇止めの慎重な対応
無期転換を避けるために、無期転換申込み権が発生する前に雇い止めを行うこともまた、法の趣旨に反し、望ましくないとされています。
無期雇用契約=正社員ではありません
また、労使ともに認識しておくべき点は、無期転換ルールは有期労働契約から無期労働契約に転換するものなので、必ずしも正社員になるということではありません。
転換後の雇用形態としては、
・ 無期転換社員(契約期間のみを無期とし、労働条件は有期のものと同じとする)
・ 多様な正社員(地域限定正社員、職務限定正社員、勤務時間限定正社員など)
・ 既存の正社員
が考えられます。
いずれにせよ、無期転換後の労働条件については、トラブルを未然に防ぐためにも、書面で労働者の方へ提示しておくべきでしょう。
無期転換ルールの特例
最後に、無期転換ルールには2つの特例があります。
一つは大学および研究開発法人の研究者、教員についての特例です。
これらに該当する方については、無期転換申込み権が発生するまでの期間は5年ではなく10年となります。
もうひとつは、①専門的知識等を有する有期雇用労働者(高度専門職)と②定年後に、同一の事業主またはグループ会社に引き続き雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)についての特例です。
いずれも都道府県労働局長の認定を受ける必要がありますが、①の高度専門職については、適切な雇用管理計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主に雇用され、高収入(年収1,075万円以上)かつ、高度の専門的知識等を有し、5年を超える一定期間内に終了する業務(プロジェクト)に従事する場合は、そのプロジェクトに従事している期間は無期転換申込権が発生しません(上限は10年)。
こちらには公認会計士や医師などが該当します。
②の継続雇用の高齢者については、適切な雇用管理計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、定年後も引き続き雇用される場合は、定年後引き続いて雇用される期間は、無期転換申込権が発生しません。
無期転換ルールの実際の対応には、それなりの時間と労力が必要です。申込みが開始される4月までに、使用者側は今一度労働者への周知や、雇用形態の見直しをされておくことをお勧めします。