風邪と葛根湯〜効くケース・効かないケースとは〜
- 2017/6/26
- 健康管理
風邪とセルフケア
急に暑くなったり涼しかったりと、気候の安定しない時期に入りました。
こういった時期は体調を崩しやすく、いわゆる夏風邪といわれる感染症が流行する季節でもあります。
忙しい働く世代は、ちょっとした風邪程度では病院に行く時間ももったいないという方も多いのではないでしょうか。
市販されている風邪薬でなんとか治したい方に、よく耳にする「葛根湯」という漢方薬を用いたセルフケアを紹介します。
葛根湯って効くの?
「風邪には葛根湯」といわれるくらい葛根湯は知名度の高い漢方のひとつで、飲んだことのある方も多いと思います。
しかし、「葛根湯が効いた」「葛根湯は効かなかった」と両方の意見を耳にします。どうしてこのようなことになるのでしょうか。
漢方は本来体質をベースとして症状に合わせて処方されるものです。
「風邪=葛根湯」という図式は間違ってはいないのですが、葛根湯は風邪の初期に服用するのが正しい飲み方なのです。
葛根湯は、体内に入ってきたウイルスなどを体温を上げて発汗させることによって体の外に追い出すという原理で、私たちの持つ風邪を治す力を高める薬です。
風邪の引き始めで汗をかいておらず、「寒気がする」「頭が痛い」「節々が痛い」というときにもっとも効果を発揮してくれます。
熱があったり汗をかいているときに飲んでも効果がありません。
喉の痛み・腫れにもあまり効果はないと考えてください。
すでに熱が出てしまって体も熱く汗をかいているような時、喉が腫れて唾を飲むのも痛いというようなときは別の漢方薬や解熱鎮痛剤を含むいわゆる西洋の風邪薬の出番です。
葛根湯が効かなかったと感じた方は服用のタイミングや症状が合っていなかった可能性が高いのです。
葛根湯は万能薬!?
葛根湯のよい点のひとつに、体質に左右されにくいところが挙げられます。
本来、漢方は体質をベースに処方するものですが、葛根湯は年齢や体質の隔てなく、ほとんどの人が安全に飲むことができる薬です。
また、「体を温めて血流をよくして発汗を促す」という効果は、風邪だけでなく、頭痛や筋肉の張り・痛み、肩こりに用いることもできます。
風邪でお腹の症状があるとき、乳腺炎などにも効果を発揮します。
もうひとつのメリットとして「眠気が起きない」という点が挙げられます。
一般的に販売されている風邪薬は鼻水などの症状緩和のため眠くなる成分が含まれていることが多いのですが、葛根湯には眠くなる成分は含まれていません。
仕事、勉強、車の運転などで眠くなっては困るときにも服用することができます。
早めの服用が肝心
薬局・ドラッグストアで販売されている葛根湯は、病院で処方されるものよりも量が少な目ですが、成分は同じです。
大抵の薬局・ドラッグストアで販売している漢方なので、自宅に常備しておくと安心ですね。
なんだか寒気がするな、風邪かな? というタイミングで内服することで、風邪を早い段階で治す方向に持って行くことができます。
前に飲んだけど効かなかったという方は、飲むタイミングや症状を見直してみてくださいね。