医師も産業医面談を受けるのか?

企業の残業時間が話題に

大手広告代理店電通の従業員の自殺が報道されてから、何かと残業時間について話題に上がることが多くなったような気がします。
私自身が産業医と企業の間をとりもつ仕事をしていますし、月間で一定時間以上残業をしている従業員は、産業医と面談をさせなければならないと法律で定めているので、これまでも残業時間については企業担当者との席では、必ずといってよいほど話題にのぼりました。

ここ最近は、知人との話題でも残業時間の話がでるようになってきました。

厚生労働省の発表によれば、平均的な月間残業時間は10時間程度ということになっていますが、口コミサイトでは月約50時間といった集計結果もでているようです。
残業代未払いや、サービス残業が横行していることは周知の事実なので、厚生労働省の発表は眉唾といえるかもしれません。
口コミサイトの発表については、どこまで正直に答えているか不明ですが、こちらのほうが実態に近い気もします。

医師の残業時間は?

医師は、一説によれば、平均して週20時間程度の残業をしていると言われており、「月80時間」ということになります。
特に、宿直を伴った勤務体系の病院等で勤務されている方は、クリニック勤務の方より、長時間拘束される傾向になるといいます。
病院も労働安全衛生法が適用になりますので、必要に応じて産業医面談を受けることになりますが、
勤務医が産業医と面談したという話は、あまり聞いたことがありません。

産業医の働き方とは

産業医には大きく分けて、専属産業医と嘱託産業医の2種類があります。
専属産業医は、事業場に常勤しているので、その企業の一般的な従業員とほぼ同じ時間働くことになり、残業もあり得ます。
ただ、「残業時間の長い産業医がいる」といった噂はあまり聞きません。
そもそも「残業を減らそう」と従業員にはたらきかける役割もはたしている産業医が、すすんで残業しているとしたら、それはナンセンスです。
また、月に1~2回程度、事業場に訪問して職務を行う嘱託産業医は、毎月ほぼ同じ時間分の仕事をしているはずですから、よほど込み入った事案がない限り残業することもありません。

ワークライフバランスを考えた際には、通常の勤務医と比べて過度な労働時間を回避でき、医学的なスキルや専門知識を活かせる仕事として、産業医は有意義な活躍の場の一つと言えそうです。

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