長時間のデスクワークにつく人が増え続ける今、「腰痛」は職業病ともいえます。
腰痛を抱える人は、男性が抱える自覚症状では1位を、女性では2位となっており、男女問わず悩んでいる人が多いことがわかります。
(平成25年度 国民生活基礎調査より)
更に、腰痛は日常生活や仕事にも大きな影響を及ぼします。
生涯のうち、一度は腰痛のために休職をするという割合は、25%にも上ることがわかっています。
非常によくある症状だけれど、軽視してはいけない。それが腰痛なのです。
腰痛はほとんどが原因不明?!
腰痛がやっかいなのは、つらい痛みだけではありません。腰痛の85%が原因不明だということです。
整形外科を受診して画像診断などの検査を受けても、明らかな異常が見つかる人は少ないため、治療方法もなかなか確定しません。
痛み止めや湿布に加えて、マッサージなども併用しながら様子を見ている方もたくさんいらっしゃいます。
腰痛がストレスやうつ病のサインであることも
さらに、腰痛の原因が身体的な問題ではなく、ストレスや心理的な問題が体に表れている場合があります。
そのような場合は、原因となる心の問題についても、同時に解消していかなければなりません。
さらに、急性腰痛(ぎっくり腰)やひどい腰痛を経験したために、背中を反らすことやくしゃみなど、腰に負担をかけることに対して潜在的に不安を感じてしまうことがあります。
その結果、腰の筋肉に負担がかかり、さらに腰痛を悪化させてしまいます。
「腰痛の時は安静に」は間違い
腰痛には、ぎっくり腰などの急性腰痛と、長期間続く慢性腰痛があります。
どちらも、大切なポイントは以下です。
・安静を保ちすぎない
・毎日の予防を欠かさない
骨折や感染症など、明らかな原因がわかっている腰痛を除いては、
痛みがあっても日常生活程度の運動をした方がよいことがわかっています。
毎日の予防としてお勧めしたいのが、下記の「これだけ体操」です。
1回3秒「これだけ体操」を最低1日1回
これだけ体操とは、腰痛予防のために、1日1回は背中を反らす姿勢を取るという体操方法です。
この方法には、筋肉の緊張を解き、ストレッチするという目的以外にも、腰を反らすことへの心理的な恐怖を取り除く意味もあります。
■これだけ体操のやり方
1.足を肩幅より、やや広めに開く
2.おしりに両手をあてる
3.息を吐きながら、ゆっくり上体を反らす
4.上体を反らしたまま、その姿勢を3秒ほど保つ
これを1日に数回行うだけです。
1回1分にも満たないので、仕事の合間にトイレへ行った際や、お茶を取りに行った際などにも手軽に取り組めます。
これだけ体操は、痛いときだけ行うのではなく、1日数回を長期的に行うことが大切です。
うがいや手洗いと同じように体操を
風邪予防にうがいや手洗いを欠かさない方は多いと思います。
腰痛も同じです。日々の小さな積み重ねで、症状が悪化するのを防ぐことができます。
腰痛に悩まされている方は、席を立ったら腰を伸ばすことをぜひ心がけてみてください。