【メンタルヘルスケアの超基本】自分のストレス要因やストレス反応を知ろう!

現代社会においては、世界中で身体の健康と同じくらい、心の健康の重要性が高まっています。
そこで今回からシリーズで、ストレス対処法をお伝えしていきます。

メンタルヘルス不調とは

皆さんにとって、「心が元気」とはどんな状態でしょうか。
身体の不調は、体温が高くなったり、血液検査で異常が出るなどして、客観的・数値的にわかりやすいですが、心の健康度はそのような数値を取りづらく、他の人にはわかりにくいことが特徴です。
また、皆さんも聞いたことのある病名(障害)としては、うつ病や適応障害等があるかもしれません。
これらは、国際的な診断基準に基づいて診断されるものですが、身体的な疾患よりもグレーゾーンがあり、病気と病気ではない間の線引きが難しい点があります。
実際、皆さんの中にも日々ストレスに苛まれて生活に支障を来たす日もあるのではないでしょうか。
うつ病に関しては、日本人の15人に1人が生涯の中で経験していると言われており、欧米ではそれ以上とも報告されています(※1)。
他人事ではないこと、また、どこからが「病気」という線引きが難しいからこそ、日頃からストレスとうまく付き合ってメンタルヘルスを良好に保つセルフケア力が必要とされています。

ストレスの種類

「ストレス」は普段からよく使う言葉ですが、ストレスの原因となる「ストレス要因」と、「ストレス反応」に分けることができます。

① ストレス要因

まず、ストレス要因をたくさん持っていること、そして、その影響度の大きいものを持っていると不調のリスクが高まります。
ストレスチェックでは、仕事のストレスを中心に確認しますが、プライベートでの出来事も私たちのメンタルヘルスには大きく影響するため無視できません。
ストレス要因の大きさをセルフチェックできる、夏目誠医師らによる「ストレス度数計」をご紹介します(※2)。

この度数計によると、260点以上の人は黄色信号、300点以上の人は赤信号と診断されます。
皆さんは何点と診断されましたでしょうか。
このチェックシートをやってみてわかることは、「悪いこと」だけでなく、収入が増えるといった「良いこと」もストレスになるということ。
また、さまざまなストレス要因が積み重なることがリスクを高めるということです。

② ストレス反応

次に、ストレス反応。
心だけでなく、身体や行動にも現れるといわれています。


自分に生じやすい反応を知っておき、ストレスに「気づく」ことがまずは大切です。
厚生労働省のウェブサイト「こころの耳」では「疲労蓄積度セルフチェック」が可能です(※3)。
まずは自分自身の変化に気づくこと。
また、周囲の人にも変化が見られたら、声をかけたり、セルフチェックを促すなど、気にかけてあげてください。
もし皆さんが、心配な方に声をかけた際には、ストレスにはさまざまな症状がありますが、集約させると「食う・寝る・遊ぶ」ができているか、で確認できると感じています。
これらのうち、どれかが制限を受けているような状態は何か問題がありそうです。
1、2日不調が見られるときは誰にでもありますが、週単位で「続いている」ときは注意が必要です。
医療機関や産業医、保健師等の専門職に相談することを検討しましょう。
自分自身では、自分の変化に気づきにくいこともあります。
抱え込まずに周囲の人に相談することと並んで、周囲の人も身近な人の変化に手を差し伸べることがメンタルヘルス不調の早期発見のためにはとても重要です。

さいごに

今回はストレッサーとストレス反応についてお伝えしました。
次回は「ストレス対処」についてお伝えします。

<参考>
(※1) 厚生労働省「うつ病を知っていますか?」
(※2) 夏目誠の公式ホームページ「ストレス点数」
(※3) 厚生労働省こころの耳「働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)」

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南 未来株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

学生時代より予防医療やメンタルヘルス支援に興味を持ち、大学院で産業保健(Presenteeism)の研究をしました。大企業での産業保健師を経て、海外にて専業主婦、行政保健師、中企業の保健師も経験してきました。保健師として、会社組織や個人が自立して健康を構築していけるように、エンパワメントの視点を忘れずに支援していきたいと思います。また、女性として、親として、妻として、ワークライフバランスやダイバーシティについても発信していきたいです。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、精神保健福祉士、両立支援コーディネーター
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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