みなさん、健康企業を認定する制度「健康優良企業＜銀の認定＞」をご存じでしょうか？
企業のホームページや名刺などで、「銀の認定」というマークを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
健康経営が推進される昨今、社員の健康を守り、元気にいきいきと働くことができる職場環境を整えることが、多くの企業に求められています。
今回は、その健康経営の第一歩である健康優良企業「銀の認定」の取得についてご紹介します。

健康企業宣言とは？

健康企業宣言とは、働く人とその家族の健康を守るため、健康優良企業を目指して、企業全体として健康づくりに取り組むと宣言することです。
一定の成果を上げた企業へ健康優良企業「銀の認定」、「金の認定」として認定証を交付しています。
金、銀それぞれの認定は、取り組む課題や評価項目が異なり、「銀の認定」取得後、「金の認定」の取得へ挑戦できます。
健康経営の第一歩となる健康優良企業「銀の認定」の認定を得るには、職場の健康づくりに取り組む環境を整える「STEP1」にある6つの項目に取り組むことを宣言します。

■STEP1の宣言項目

必ず「100％健診受診」を宣言したうえで、以下6つの項目に取り組むことを宣言します。

①健診結果活用
②健康づくり 環境の整備
③食
④運動
⑤禁煙
⑥心の健康
⑤感染症予防対策
⑥健康経営

■参加企業

健康企業宣言は、東京都に所在している医療保険者（協会けんぽ東京支部、健康保険組合等）に加入している企業が参加できます。

健康優良企業の認定取得には、どんなメリットがある？

健康優良企業の認定を取得することは、社員の社内外において多くのメリットがあります。

① 会社全体の健康意識改善・生産性の向上

健康企業宣言を行うことにより、企業の健康経営の方向が明確化され、企業全体として健康経営へ取り組みがしやすくなります。
課題に取り組む中で、会社全体の健康意識も変わってくることでしょう。
また、従業員が健康で働ける環境を整えることは、身体の健康のみならず、仕事の生産性の向上にもつながります。

② 企業のイメージアップ

「健康企業宣言　宣言の証」や「健康優良企業　認定証」をプレスリリースやホームページへの掲載により、健康経営に取り組む企業として、企業のイメージが上がります。
加えて、新入社員など求職者にとっても、会社選びの重要な判断基準になります。

出所：健康保険組合連合会東京連合会「健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう」

「銀の認定」取得までの流れ

【1】 事前準備

まず、健康づくりの担当者や推進チームを発足しましょう。
チェックシートをもとに自己採点をし、健診や職場環境整備がどのくらい取り組めているか自社の状況を確認します。
自社が取り組む課題を応募用紙へ記入し、健康保険組合へ申請を出します。

出所：健康保険組合連合会東京連合会「健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう」

【2】 宣言

申請後、受付・登録が完了した企業に、健康保険組合より「健康企業宣言　宣言の証」が交付されます。「宣言の証」を社内掲示版やホームページ等へ掲載し、社内外に周知発信をしましょう。

【3】課題に取り組む

宣言をしたら、社内の健康経営課題に取り組みます。
健診の受診率を上げる必要があるのか、運動不足解消の対策が必要なのかなど企業によって課題は様々です。それぞれにあった改善策を実施しましょう。
宣言後、概ね1年経過後に「健康企業宣言実施結果レポート」等の確認書類を健康保険組合に提出します。概ね1年は、目安になりますので、早めに達成した場合は、早く提出することもできます。（※最低、6か月以上の取り組みが必要になります。）

【4】認定証取得

審査の結果、達成基準である80点以上を満たした企業に、健康保険組合連合会東京連合会が発行する「健康優良企業 銀の認定証」が交付されます。
「銀の認定」の期間は、認定日から約1年になります。
取り組みの継続的に実施し、認定期間が終了する前に更新手続きを行うことで、更新することができます。

出所：健康保険組合連合会東京連合会「健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう」

達成できなかった場合は？

宣言項目の取り組みを達成できなかった場合は、「健康企業宣言実施結果レポート」を提出することにより、宣言期間を1年更新することができます。
達成基準に満たさなかった点を見つめなおし、継続的に取り組むことが重要です。
宣言期間中、認定後において、取り組みの継続が難しくなった場合は、所定の「辞退届」を健康保険組合へ提出してください。
辞退によるペナルティはありません。

まとめ

社内の健康経営・健康づくりは、決して難しいものではありません。
従業員が健康になることは、生産性の向上につながります。会社として、積極的な健康づくりに取り組む姿勢を見せることで、従業員の健康意識も変っていきます。
まずは、自社に合ったできることから始めていきましょう。
その健康経営の第一歩として、健康優良企業「銀の認定」の取得を目指してみませんか？

＜参考＞
・　東京保健組合連合会東京連合会「健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう」