高齢化に伴う生産年齢人口の減少が進むなかで、人材確保・定着のために職場環境の整備は最も重要であるといっても過言ではありません。
今回は職場環境改善のポイントを成功事例を交えてご紹介します。
職場環境改善案のポイント
職場環境の改善には、経営層の理解のもと会社として取り組むことが必要です。
取引先の企業様から「職場改善のために会社で色々と取り組んでいるが、なかなか改善ができない」とご相談されたことがあります。
お話を聞いてみると、ストレスチェック結果をもとに役員で取り組みを決めたとのことでした。
役員の方々が職場改善に積極的なのは非常に素晴らしいのですが、会社や上席者のみで考える改善策と現場の考えとではギャップがある可能性が高いです。
そのギャップを生まないためには「現場の声」が重要になります。
ボトムアップの職場環境改善で成功した事例
(1)株式会社現場サポート
株式会社現場サポートでは働き方改革を「会社と社員が満足できる環境を整える」ことと捉え、社員の声を聴く仕組みを作り上げています。
以下の4つのしくみを毎年継続して社員の声を拾っているとのことです。
・ 経営アセスメント
・ 社員満足度調査
・ 給与アンケート
・ 個人面談
実際に2か月に1回実施している10分間の社長面談で要望のあった「テレワーク制度」を導入し、家族等の転居による退職を防ぐことができたといいます。
ほかにも従業員に合った働き方ができるようにさまざまな制度を導入している同社では創業期30%だった離職率を0%まで下げることができたそうです。
(2)株式会社清水建設
株式会社清水建設でも社長面談を年2回程度実施しています。
目的は評価のためですが、面談時に社員の意見を聞くことも心がけているとのことです。
実際に、面談がきっかけでお子さんの学校行事等の地域活動に参加するために利用できる「ワークライフバランス休暇」や30分単位で取得できる「子の看護のための休暇制度」を導入し、子育てとの両立ができる職場作りに取り組んでいます。
また、建築業である同社では、休日出勤も余儀なくされるため、一つの現場が終わると、休日出勤した日数分まとめて休暇を取得できるよう「リフレッシュ休暇」を導入しています。
社員のモチベーション向上によってお客様の満足度の向上、会社にとってプラスになると考え、さまざまな制度を導入し柔軟な労働環境を整えています。
上記の2社は社員の意見や実態を職場環境改善につなげました。
これは職場環境改善だけでなく、社員の意見が反映されたことで「社員の職場に対する当事者意識や職場への愛着」にも効果があると考えられます。
現状把握
個人面談をするのはなかなか大変な企業様も多いと思います。
ぜひストレスチェック結果を活用してください。
面談ができなくても集団分析を活用すれば会社の弱みや強みが見えてきます。
ただ、ストレスチェック結果は一側面であることに注意してください。
ストレスチェックで出てくるストレス要因は限られた設問から考えられるものであるため、あくまでも目安として考えていただければと思います。
ストレスチェック結果と現場の実態を照らし合わせて改善案を考えることが重要です。
たとえば、全員面談は難しいけれど所属長と面談をしたり、ストレスチェック結果が心配な部署を対象にヒアリングをして現状把握をしている企業様もいらっしゃいます。
ハードルが高く後回しにしてしまう職場環境改善ですが、是非今回の成功例を参考に御社の職場環境改善案を考えてみてください。
「産業保健新聞」を運営しているドクタートラストでは、職場環境改善に活かせるストレスチェックを提供しています。
お気軽にお問合せください。
【ドクタートラストのストレスチェック】
<参考>
・ 厚生労働省「働き方改革特設サイト「株式会社現場サポート」」
・ 厚生労働省「働き方改革特設サイト「株式会社水清建設」」
・ 株式会社現場サポート「【現場サポートの働き方改革】働き方は3つのバランスで変わる」