あなたは怒ることができますか?
- 2016/3/14
- メンタルヘルス
突然ですが、最近いつ怒りましたか?
怒る出来事がなかったということであれば問題はありませんが、嫌な出来事があったのに怒っていない、怒るのは苦手だから怒らないようにしている…そういうことはないでしょうか。
最近怒り方がわからず、怒りを自分の中に溜めこんでいる方や、怒ることが苦手な方が増えています。
本当は存在する「怒り」という感情をなかったかのように我慢したり、断ち切ったり…、また、その感情を感じられなくなっていたとしたら。
それは心理学的に言う「抑圧」の状態で、健全な状態とは言えません。
抑圧の状態を長く続けていると、憎しみなどのより強い感情に変化し、突然爆発してしまうことがあります。
俗にいう「キレる」ということに繋がってしまう可能性があるのです。
怒ることは悪いこと?
怒っても何の得にもならない。
怒っても状況は変わらない。
怒るなんてみっともない。
このように怒ることにマイナスなイメージしか持っていないと、怒りという感情が湧きあがったことだけで自分自身を責めたり、怒ったあとに必要以上に嫌な思いを引きずってしまい、辛い思いをしてしまいます。
確かに怒ることで人間関係が崩れてしまったり、怒り損という結果に終わることもあるでしょう。
そういう経験をすることで、ますます怒るという感情を抑圧する癖がつき、怒るということを我慢したり、怒りを感じないようになってしまいます。
ただ、怒った後に悪い結果を生んでしまった場合は、「うまく」怒れていなかったということが考えられます。
そもそも怒りは、自然に湧き上がる感情であり、その感情自体に良いも悪いもないので、必要以上にマイナスのイメージを持ったり、その感情で苦しむ必要はありません。
怒りの感情の裏にこそ、本当の感情が隠れている
怒りという感情は「二次感情」と言われています。
一次的に発生したある感情(一次感情)の次に発生するのが怒りということです。
一次感情には「悲しい」「寂しい」「心配」などがありますが、そういう感情に蓋をして「怒り」という感情が出てきているのです。
つまり怒りを感じた時に対処すべきは、実は怒りの下に潜んでいる感情なのです。
怒りはとてもエネルギーが強い感情なので、本来の感情(「悲しい」や「寂しい」)に気が回らなくなってしまいます。
そうなって怒りにだけ囚われてしまうと、攻撃的な行動に出てしまいがちです。
人は攻撃されると攻撃し返してしまいます。これは本能的なものです。
怒りという感情を攻撃的な形で外に出してしまうことにより、悪循環が生じてしまうのです。
怒りの存在を認め、適切に怒りを表現する
怒りも自分の大切な感情の一つですので、怒りの感情自体を否定しないようにしましょう。
まずは自分で「あ~、私怒ってる」とその感情の存在を自らが認めてあげることが必要です。
あまりに怒りに無関心でいると、怒りの感情表現を間違えて、相手や自分を傷つける結果を招いてしまいます。
また、怒りの裏にある感情にも目を向けるようにしましょう。
相手に自分が怒っていることを伝える時に、怒りの感情の下にある一次感情も伝えることが有効です。
一次感情に注目することで、自分が大切にしているものや、望んでいるものを知るきっかけになりますし、それを自分だけではなく相手にも知ってもらうことで、よりよい人間関係を築くことができます。
このように怒りという感情は、何かを失うばかりではなく、何かを「得る」こともできるのです。
「雨降って地固まる」
自分の感情を大切にしながらもより良い人間関係を築いていきましょう。