2019年7月1日~7日は令和元年度全国安全週間です。
私の職場であるドクタートラストにも「全国安全週間」のポスターが大きく貼られていますが、これを機に社員一人ひとりが、ふとした瞬間に安全に対して意識をしているように思います。
「労働災害防止活動」と聞くと、なんだか少し難しいもののように感じますが、要は仕事中(通勤途中も含みます)に事故や病気にならないように、皆で見直そう!というものです。
今回は全国安全週間実施事項の交通労働災害防止対策の一つである「飲酒による運転への影響や睡眠時間の確保」についてお話します。
飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!
このスローガンを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
皆さんもご存知のように、お酒を飲んだあとは運転してはいけないという意味ですよね。
それではたくさんお酒を飲んだ翌日は、二日酔いさえなければ、運転しても安全でしょうか?
アルコールはどれくらいで身体から抜ける?
これから夏本番!
暑い日には、とにかくビールを飲みたくなるものです。
お酒をたくさん飲んだ日は、二日酔いは避けたいし、できるだけ早く身体からアルコールを抜きたいと思うのも当然。
アルコールの分解速度は「飲んだ量」「肝臓の大きさ」「年齢」「お酒に強いか弱いか」など、いくつかの要因が影響しますが、「1時間で体重1kgあたり約0.1gのアルコールを分解する」といわれています。
たとえば体重70kgの人が、お酒2合を飲むと(例:ビール500mlと日本酒1合)アルコールが身体から抜けるのに約7時間かかるというわけです。
2合は飲み会の場では、ついつい飲んでしまう量です。
翌日にお酒を残さないためには「眠る前にお酒を飲んでも眠ってしまえば、いつのまにか7時間経って、朝にはスッキリしているのでは?」と思いませんか。
眠ったら分解時間は2倍に
飲んだ後少し眠ったらスッキリした、という経験をした方もいるのではないでしょうか。
これは、眠っている間にアルコールが身体から抜けたから?
実は、その逆!
なんと、お酒を飲んで眠ると、アルコール分解速度が約半分程度に落ちてしまうと研究で報告されています。
つまり起きているときのアルコール分解速度が7時間だとしても、眠ることで倍の14時間もかかってしまうのです。
これは単純計算したものですが、睡眠はアルコール分解を遅らせることを頭に置いてお酒と付き合っていきましょう。
翌日に運転を控えている人はもちろんのこと、毎日朝から頑張って働く皆様全員が、安全に働くために、ぜひ気を付けていただきたいと思います。
お酒と睡眠の因果関係
前述のとおり、睡眠はアルコール分解速度を遅らせますが、両者の関係はこれだけにとどまりません。
アルコールは睡眠の質を下げる影響もあるのです。
日本人の30%が「眠るためにお酒を飲む」と答えている調査結果があります。
これは海外とくらべてもダントツで多い結果です。
お酒を飲むことは寝つきを良くし、深い眠りを増やします。
しかし、眠りの後半では、頻脈が起こったり、途中で目が覚めることが多くなり、結果的に睡眠の質を悪くします。
また、アルコールをたくさん飲むと、筋肉が緩んで気道が狭くなることで、いびきや無呼吸の原因にもなります。
1日頑張ったご褒美に、嗜む程度にお酒を飲むことは良いと思いますが、眠るために飲む、という習慣にならないように注意してください。