健康食品による肝障害に注意

健康食品で健康被害

私たちの身の回りにはたくさんの健康食品・サプリメントが溢れています。
ビタミンのサプリメントなどを含めると、ほとんどの方が何かしらの健康食品を口にしたことがあるのではないでしょうか。
気軽に購入することができ、不足する栄養素を補うことができますが、一方で思いもよらぬ健康被害が出ることがあります。
サプリメントによる健康被害は皆さんが思っているよりもずっと身近にあることをご存知ですか?

肝障害は気付きにくい

健康食品による被害としては、湿疹、下痢などの消化管症状、肝機能障害などが挙げられます。
そのほかにも今までにさまざまな健康被害が報告されていますが、身近に起こり得るものとしてはこの3つが多いです。
湿疹や下痢は目に見えて症状がわかるものなので、比較的早い段階で「あれ? おかしいな」と気付くことができますが、肝機能障害はひどくならない限り自覚症状に乏しいため気付かないケースが多いのが現状です。
「健康診断で肝臓の数値がちょっと悪い」という時、お酒もメタボにも心当たりがない場合は健康食品・サプリメントの服用がないか考えてみてください。
軽症も含めると健康食品・サプリメントによる肝機能障害は皆さんが考えているよりもたくさん起こっています。
重症になると倦怠感や黄疸などの症状が出て、入院が必要になることもあります。
たとえばビタミンCのサプリメントについて考えてみましょう。
ビタミンC自体は体にとって必要なものなので摂取して健康被害が起こることはほとんどありません。
仮に多少摂りすぎても尿中に排泄されるので、あまり心配のない栄養素です。
しかし、錠剤やカプセルなどその形状を作るためにビタミンC以外のもの(一般的に基材と呼びます)が含まれています。
ビタミンCだけで錠剤を作ることはできないため、必ず「基材」と呼ばれるものが必要となります。
ビタミンCに問題がなくても、その基材が体質に合わず湿疹や肝機能障害を起こすこともあるのです。

必要なものを賢く取り入れて

健康食品・サプリメントは非常に手軽で便利なものです。
偏った栄養を補ったり、妊娠・授乳中など普段よりも栄養が必要な時に上手に取り入れることで体のバランスを保つ手助けをしてくれます。

健康食品やサプリメントがいけないわけではありませんが、

・ 本当に必要なものかどうか
・ 安全・安心できる製造・販売元であるか

しっかりと吟味することが大切です。

また、安心できる会社が製造したものであっても、それが全ての人に問題を起こさないわけではありません。
他の人には大丈夫なものも、自分にとっては合わないこともあるのです。
「サプリメントだから大丈夫」と簡単に考えず、特に長期的に服用しているような場合は健康被害がないかチェックしていく必要があります。

 

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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