「健康経営」という新たな経営戦略
- 2017/2/27
- 健康管理
健康経営銘柄とは
去る2月21日、東京証券取引所、経済産業省が共同で「健康経営銘柄2017」を公表しました。
これは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を、「健康経営銘柄」として選定するというものです。
2015年に始まったこの取組みは、日本再興戦略の「国民の健康寿命の延伸」に向けた施策の1つとして実施するもので、第3回目となる今回は、24業種から24社が選定されました。
健康経営に優れる企業の平均株価をみると、TOPIXを上回る水準で推移しています(経済産業省調べ)が、健康経営銘柄に選定されたのち、当該株価が大きく上昇しているかというと、そこまではっきりとした傾向は見えていません。
健康経営で金利優遇
一方、金融機関からの資金調達という観点からは、日本政策投資銀行(DBJ)が、「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」を取り入れています。
これは、独自の評価システムをもとに、従業員の健康配慮の取組みに優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという「健康経営格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資メニューです。
健康経営を行っている企業に対して金利を優遇する商品は、他に常陽銀行の「常陽健康経営サポートローン」や、東邦銀行の「健康経営応援プラン」、広島銀行の「健康経営評価融資制度」などがあげられます。
また、都内では、中小銀行向けには、東京東信用金庫、西武信用金庫、みずほ銀行なども中小企業の「健康経営」支援に乗り出しています。
健康経営による経営者へのインセンティブ
前記「健康経営銘柄2017」を公表した同日、経済産業省は「健康経営優良法人2017認定法人」を公表し、大規模法人部門(ホワイト500)で235法人、中小規模法人部門で95法人が認定されています。
ただ、実際に健康経営に取り組んでいる企業は、中小企業では約2割にとどまっているなど、定着には程遠く、今後より健康経営が普及していくには、なんらかの経営者へのインセンティブが必要ではないかと思われます。