先の8月2日、「未来への投資を実現する経済対策」が閣議決定されました。
その内容には、最低賃金の引き上げのための環境整備や支援措置などが盛り込まれています。
そもそも、最低賃金とは?
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、
使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
最低賃金には、地域別最低賃金及び特定最低賃金の2種類があります。
なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、
使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
地域別最低賃金とは?
産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働く、
すべての労働者とその使用者に対して適用されます。
特定最低賃金とは?
特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。
以上を踏まえて、今回の支援策の内容を見てみましょう。
「未来への投資を実現する経済対策」として
この対策は、「最低賃金引き上げの環境整備として、経済力強化・生産性向上に向けて、
中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する。」とされています。
そのために政府が行う2種類の助成金には、一体どのようなものがあるのでしょうか?
以下に紹介したいと思います。
業務改正助成金
支給者対象が事業場内最低賃金800円未満の事業場から1000円未満の事業場に拡充されるほか、
引き上げ額に応じた助成金のコースを追加するなど、助成率が拡充されます。
キャリアアップ助成金(処遇改善コース)
中小企業が有期契約労働者などの基本給の賃金規定などを3%以上増額改定し、
昇給した場合には、助成額が加算されます。
また、特例的に平成28年8月24日以降に上記のように取り組んだ事業主についても、
加算措置の対象となります。
その他の助成金増額対象
申請のあった企業について、生産性の向上が認められる場合にはさらに増額されます。
具体的な生産性要件については、また厚生労働省のホームページに掲載されるそうです。
ぜひ、この支援策をきっかけに、最低賃金の引き上げについて考えてみませんか?