誰でも年をとれば、個人差はあるものの若い頃のようには働けなくなり、収入を得る能力が低下するリスクを負います。
また、長寿化により老後期間が伸張している中、安心して老後を暮らすために公的年金は大きな役割を担っています。
国民の4人に1人が年金を受給するなど、今や老後生活の柱として、私たちの生活に不可欠な役割を果たしている年金について、あなたはどのくらい知っているでしょうか。
ここでは、会社に勤める方の年金の仕組みをQ&Aで見ていきましょう。
Q.年金(老齢年金)は誰でも受け取れる?
老齢基礎年金を受けるためには、保険料を納めた期間、保険料を免除された期間、合算対象期間とを通算した期間が原則25年間(300月)以上あることが必要です。
また、厚生年金の被保険者期間があって、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たした方が65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金が支給されます。ただし、60歳以上で、〇老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たしていること、〇厚生年金の被保険者期間が1年以上あることにより受給資格を満たしている方には、65歳になるまで、特別支給の老齢厚生年金が支給されます。
Q.会社に勤めた時、必ず厚生年金保険に加入しないといけない?
臨時に使用される人や季節的業務に使用される人を除いて、通常の社員の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上ある従業員は、正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの区別によらず、70歳未満の方は必ず厚生年金保険に加入することになります。
Q.転職した際、何か手続きは必要?
厚生年金保険の適用を受ける会社に転職したときは、原則、厚生年金保険に加入することになります。加入の手続きは転職後の会社が行いますので、会社に年金手帳を提出してください。
Q.月の途中で会社に勤めたり、退職した時、保険料はどうなる?
月の途中から勤めた場合は、入社日にて厚生年金の被保険者資格を取得することとなります。保険料は月単位で計算しますので、資格取得した月の保険料から支払う必要があります。保険料は、会社が被保険者に支払う給与から保険料相当額の被保険者負担分を直接控除し、会社負担分と合わせて翌月末までに国に納めます。
月の途中で退職した場合は、退職した日の翌日に厚生年金の被保険者資格を喪失することとなります。保険料は、資格喪失日が属する月の前月分まで納める必要があります。
なお、月の「末日」に退職した場合は、翌月1日が資格喪失日となりますので、退職した月分までの保険料を納める必要があります。この場合は、給与計算の締切日によって、退職時の給与から前月分と当月分の社会保険料が控除される場合があります。
Q.育児・介護休業を取得した時、保険料はどうなる?
育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等(育児休業及び育児休業に準じる休業)期間について、厚生年金保険の保険料は、事業主の申出により、被保険者分及び事業主分とも徴収はされません。
Q.小さい子どもを養育する場合、保険料はどうなる?
次世代育成支援の拡充を目的とし、子どもが3歳までの間は、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それに伴って標準報酬月額が低下した場合でも、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みが設けられています。被保険者の申出に基づき、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算します。養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようにするための措置です。
最後に
ここでご紹介したことはほんの一部です。
「将来、年金はもらえて当たり前……」と気楽に構えていると、「受給資格を満たしていなかった」「申請していれば年金額がもっと増えたのに」なんてことになりかねません。しっかり自分で管理し、安心な老後生活を送りたいものですね。