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配偶者手当を廃止・縮小する企業が増えています
- 2016/4/17
- ワークライフバランス, 労働安全衛生法, 労働環境
ここ数年、「女性の社会進出・活躍」といった言葉をテレビなどのメディアで頻繁に耳にするようになりました。
そのような状況を背景に、厚生労働省は、「『日本再興戦略』改訂2015」などを踏まえ、労働基準局⻑の下、学識経験者らによる「⼥性の活躍促進に向けた配偶者⼿当の在り方に関する検討会」を平成27年12⽉に設置。年度末にかけて3回開催しました。
そもそも配偶者手当とは
配偶者⼿当は、家事・育児に専念する妻と、仕事に専念する夫といった夫婦間の性別役割分業が
⼀般的であった⾼度経済成⻑期に、⽇本的雇⽤慣⾏と相まって定着してきた制度です。
⼥性の就業が進むなど社会の実情が⼤きく変化している中、税制・社会保障制度とともに、
就業調整のひとつの要因となっています。
今後、労働⼒⼈⼝が減少していくことが予想され、働く意欲のあるすべての⼈が、その能⼒を⼗分に発揮できる社会の形成が必要となってきます。
パートタイム労働で働く配偶者の就業調整につながる「配偶者手当」については、
配偶者の働き⽅に中⽴的な制度となるべく⾒直しを進めることが望まれているのです。
企業における手当変更例
見直しの具体的な内容は、各企業の置かれている状況、方針、労使の話合いの結果等により
さまざまですが、以下のような例があります。
例1)配偶者を対象とする手当を廃止したもの
<例>
・家族手当を廃止し、または配偶者を対象から除外し、相当部分を基本給等に組入れ
・配偶者に対する手当を廃止し、子どもや障害を持つ家族等に対する手当を増額
例2)配偶者を対象とする手当を縮小したもの
<例>
・配偶者に対する手当を減額し、子どもや障害を持つ家族等に対する手当を増額
・配偶者に対する手当は、一定の年齢までの子どもがいる場合のみ支給
配偶者⼿当の⾒直しに当たっての留意点
配偶者⼿当を含めた賃⾦制度の円滑な⾒直しに当たっては、労働契約法、判例等に加え、
企業事例等を踏まえ、以下に留意する必要があります。
1.ニーズの把握など従業員の納得性を高める取組
2.労使のていねいな話合い・合意
3.賃⾦原資総額の維持
4.必要な経過措置
5.決定後の新制度についてのていねいな説明
今後も、厚生労働省は労使に対し、女性の活躍の更なる促進に向けた配偶者手当の在り方の検討を進めて行く模様です。
働き方に大きな変革を迎えている今こそ、各企業においても、「配偶者手当」の在り方を検討してみてはいかがでしょうか。