2021年6月、ドクタートラストでは社内ウォーキングイベントを実施しました。
全社的にヘルスケアアプリを導入しており、各自のスマートフォンに記録される歩数を競い合うというとてもシンプルなものです。
コロナ禍で運動不足になりがちなご時世でも、個人部門はもちろん、社内でランダムに編成されたチーム対抗部門も大変盛り上がりました!
日頃から運動習慣のある社員はもちろん、そうでない社員にとっても運動にチャレンジするいいきっかけになったようです。
そこで今回は、社内で運動イベントを実施する際のポイントを、健康運動指導士の観点からお伝えしたいと思います。
明確な目標設定
ドクタートラストのウォーキングイベントでは、個人の目標は「1日8,000歩以上」とされています。
1日の歩数が8,000歩の人は、4,000歩の人とくらべ、総死亡リスクが半減したという米国の研究(※)もあります。
令和元年国民健康・栄養調査によると、日本人の1日の平均歩数の現状は、男性は7,864歩、女性は6,685歩。
コロナ禍となったのは令和2年以降なので、現在は在宅勤務の影響などにより、人によってはもっと少なくなっているかもしれません。
人にもよりますが、8,000歩というと5~6km、普通に歩くと1時間半程で歩ける距離。
6,000~7,000歩の平均程度の歩数であれば、いつもより10分、20分追加で歩けば手が届く数値です。
漠然と「たくさん歩きましょう」ではなく、明確な数値で「ちょっと頑張れば手が届きそう」な目標を示すことで、従業員の中でも最低目標ラインの目安になっています。(もちろん、もっとたくさん歩く人もいます)
コロナ禍において在宅勤務などで一日の活動量が極端に減ってしまった人も、通勤で浮いた時間を有効活用して1日8000歩を目指せば、コロナ太りの予防・解消もできます。
※ Saint-Maurice PF, et al. JAMA. 2020;323(12):1151-1160.より
運動習慣のない社員でもやる気を出す仕組み(インセンティブ制度)
「適度な運動=健康にいい」というのは常識ですが、それでも働く世代の大半は運動習慣がないのが現状です。
「ご自身の健康のために歩きましょう!」の呼びかけだけではなく、社員みんなの参加のためにはあと一歩工夫がほしいものです。
そこでドクタートラストでは、以下の3種類のインセンティブ制度を導入しています。
1.個人賞(上位1~10位まで)
2.チーム賞(上位1~2位まで)
3.特別賞(平均歩数が8,000歩以上の人)
特に、③の特別賞は大きなポイントです。
運動は、得意・不得意や好き・嫌いが大きく分かれるものです。
日頃から運動習慣のある人、運動が得意な人にだけインセンティブがある仕組みにしてしまうと、「どうせ上位の人には敵わないし…」と考える人もでてくるため、多くの社員に積極的な参加を求めるのは難しいでしょう。
ただ、平均8,000歩は自分の頑張り次第で現実的に達成できます。
もちろん個人賞の方がインセンティブは豪華ですが、「個人賞やチームでの入賞は難しそうだけど、特別賞は頑張ってゲットしたいな~」と駅で階段を使ったり、遠回りして帰宅する社員も多いです。
チーム戦の効果
運動を続けるうえで、「一緒に頑張る仲間」の存在はとても大切です。
イベント時でなくとも、連日頑張って運動していたにもかかわらず、雨の日が数日続いてなんとなくやる気がなくなり、そのままずるずると運動をやめてしまったことはないでしょうか。
こんなときにも、同じチームの仲間が頑張っているとやる気が出るものです。
イベント中は中間発表などで自分やチームの現在の順位がわかると、「チームで1日あと500歩増やせば1つ上の順位に追いつける」などのモチベーションにつながります。
同じチーム内で声を掛け合ったりなど、社内のコミュニケーションの活性化にもつながりますね。
手前味噌ではありますが、普段の運動習慣のある/なしにかかわらず、多くの社員がいつもよりたくさん身体を動かしたいと思える仕組みとなっているイベント構成だと感じます。
コロナ禍で課題となりやすい社内のコミュニケーション活性化や運動不足対策に、運動イベントを検討されてみてはいかがでしょうか。
せっかくイベントを実施するなら、多くの社員に前向きに、楽しく参加してもらえるよう、ぜひ今回ご紹介したような工夫を取り入れていただけたらと思います!
<参考>
・ 厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」