布マスクの効果、そして正しい使い方・洗い方を解説します!

布マスクの効果、そして正しい使い方・洗い方を解説します!

マスクは感染症に対して、ウイルスの通過を完全に防ぐことはできません。
一方で、感染している方がマスクをつけることによって、咳やくしゃみをした際に放出するウイルスを減少させることができます。
また、ウイルスの付着した手で自分の顔にふれることをマスクが防いで、鼻やのどからウイルスが侵入しにくくする効果があります。

布マスクの効果は?

今回、全世帯に2枚ずつ配布されることとなった布マスクは、折り目のサイズが使い捨ての不織布マスクより大きいため、ウイルスの予防の効果はほとんどありません。
しかし、咳やくしゃみによる大きな飛沫を防ぐ効果はありますので、手元に使い捨てマスクがない場合、最後の手段として使用されることをお勧めします。
ただし、布マスクを繰り返し使う場合、適切な方法で洗わないと、かえって不衛生になり、雑菌が増殖する可能性が高まります。
C Raina MacIntyreらの研究(2015)によると、医療従事者に医療用マスクと布マスクをつけて、呼吸器疾患やインフルエンザ症状などの発生を調べたところ、布マスクをつけた人の発生率が有意に高く、布マスクの再利用やろ過不足などが感染のリスクを高める可能性があると論じています。
加えて不織布マスク同様、不適切な使い方により感染が広がる可能性もあるため、正しく管理し、正しく使うことが重要です。
今回は、布マスクの正しい使用方法、そして洗い方をご紹介します。

布マスクの正しいつけ方・はずし方

布マスクを使う際は、以下の手順を守ってください。

① マスクをつける前に手を洗いましょう。
② マスクの上下や裏表を確認します。
③ マスクの内側に触れないよう、鼻、口、あごを確実に覆うようにつけます。
④ ゴム紐で耳にしっかりと固定し調整します。
⑤ マスクの使用中はマスクの表面に触れないようにしましょう。
⑥ 使用後は、マスクの表面にふれないように片耳ずつゴム紐を持って外します。
⑦ マスクを外した後に手にウイルスがついていることがあるので、手洗いやアルコール製剤で消毒しましょう。

正しい布マスクの洗い方

続いて、使用後の布マスクの洗い方をご紹介します。

布マスクを洗うのに用意するもの

用意するものは以下の通りです。

・ 衣料用洗剤
・ 塩素系漂白剤
・ 清潔なタオル
・ 大きめの桶(バケツ、洗面器でも構いません)
・ 台所用手袋(厚手のゴム手袋)
・ 洗濯バサミ

布マスクを洗う手順

布マスクは、以下の手順に従って洗ってください。

① 桶に水道水をはり、衣料用洗剤に書かれている分量を水に入れて溶かします。(一般的な衣料用洗剤だと水2リットルに対しておよそ0.7グラムが目安)
② 桶の中に布マスクを入れ、10分経ったら軽く押し洗いをします。このとき、繊維をいためる可能性があるので、もみ洗いをしないようにしましょう。
③ 布マスクを洗い終わったら、桶の水を流します。この時、桶の水が飛び散らないように注意しましょう。
④ 桶に水道水をためて、布マスクをすすぎます。十分にすすぎ終わったら水気を切ります。
~汚れが気になる方は塩素系の漂白剤を使いましょう~
⑤ 台所用の手袋をはめて、桶にためた水に塩素系漂白剤を入れます。(水1ℓリットルに対しておよそ15ミリリットルが目安)
⑥ 漂白剤をいれた水に布マスクをひたし、10分経ったら桶の漂白剤を流します。
⑦ 桶に水道水をためて、布マスクの漂白剤をたっぷりの水ですすぎます。漂白剤がしっかり落ちるように2回すすぎましょう。
⑧ 布マスクを桶から出し、清潔なタオルにはさんでたたいて水気をとります。
⑨ 布マスクの水気がなくなったら乾燥させます。
⑩ 乾燥機は使わず、陰干しで自然に乾燥させましょう。
⑪ 形を整えて洗濯ばさみで乾かします。

マスクは、1日1回洗濯しましょう。
また、汚れたら、その都度洗ってください!
もちろん、こまめな手洗いも必ず行ってください。

<参考>
・ 経済産業省「布製マスクの洗い方動画を作成しました」
・ 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の予防、マスクや消毒液について」
・ 「A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers」(2015年)

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根本裕美子株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

行政保健師として特定保健指導、介護予防事業などを実施するなかで、働きざかりの方の健康づくりが重要であることを実感し、現在、産業保健師として働いています。
これまでの経験を活かし、わかりやすい、役立つ情報を提供します。
【保有資格】看護師、保健師
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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